国境を越えた“クッキー交換”が国際経済の橋渡しに 新興AI企業社員の心温まる挑戦

オフィスのラウンジで、手作りのクッキーが入った包みを笑顔で交換する多国籍の人々の様子。 国際ビジネス
クッキー交換を通じて国際的なつながりが生まれる現場の一コマ。

国際ビジネスのイノベーションが、意外なところから世界を温かくつなぎ始めている。京都府のAI開発新興企業「ブリッジシンク」の社員たちが発起人となった“グローバルクッキー交換キャンペーン”が、世界120か国以上の企業や家庭に広がり、人と人、文化と文化を優しく結ぶ架け橋となっている。

「ビジネスの交流は、電子メールのやり取りだけではもったいない。お互いの“いつも”を味わってこそ、ほんとうの信頼が生まれる」。そう語るのは、ブリッジシンクの国際部門マネージャー、片山ルイザ(34)。彼女はパンデミック後のリモートワーク繁忙期に、世界中のビジネスパートナーへ手作りクッキーを郵送し合うというごく素朴なアイデアを社内ポータルに投稿した。これが「クッキー・コネクト作戦」として即座に社内外へ広がり、最初の月で40か国の企業、延べ1万2千人以上が参加する予想外のムーブメントとなった。

クッキーに添えた手書きメッセージの中には、現地の言葉でつづられた「ありがとう」「がんばって」の一言や、自国の文化についてのミニエピソードが並ぶ。東京の金融会社員、安西エドワード(42)は「シンガポールのマーガレットさんが家族で焼いたというスパイスクッキーが届き、我が家の食卓が一瞬で世界のカフェになった。これまで以上に仕事へのやる気が湧く」と話す。ノルウェーの繊維商社から届いた、北極圏のベリー入りビスケットは、千葉のIT企業で歓声とともに消費された。

この交換運動はビジネス界だけでなく、SNSでも大きな反響を呼んでいる。「国際貿易の本質は“信じ合うこと”だ、とクッキーが教えてくれた」という投稿がタイの人気インフルエンサーに引用され、独自ハッシュタグ「#CookieDiplomacy」は1か月で2,000万いいねを突破した。ある大学の通商政策専門家、平山ゼノ(58)は「文化への適応や互いの価値観尊重が、国際ビジネス市場を確かに強くしている証拠。為替レートの変動より、人の気持ちが相場を動かしているのかもしれません」と笑顔を見せた。

キャンペーン成功の陰には、物流スタッフや為替管理担当者の細やかな気遣いもある。「為替差損が出ないよう、皆で一袋ごとにタグをつけたり、小分けにラッピングした」と話すのは事務スタッフの須賀ジャマール(29)。この運動が一過性のものに終わらず、今後も多様な企業活動の原動力になることを参加者一同願っている。

国境や通貨、時差すらも乗り越えて、人と人が温かさをかわす“クッキー外交”。小さな焼き菓子が、これからも世界経済をやさしくつなぎ続けていく。

コメント

  1. 小学生の娘と一緒に読んで、すごく心が温まりました。クッキーだけで世界中とつながれるなんて素敵ですね!家でもお菓子作りをしてるので、ぜひうちからも参加したいくらいです。世界中に笑顔が広がってほしいです。

  2. いやぁ…昔は手紙のやり取りが楽しかったですが、今はクッキーで国際交流ですか。こういうアナログな温もりは、デジタル時代によけいに感じ入ります。みんなが仲良くなる…それが一番。ええ話ですなぁ。

  3. すごい!#CookieDiplomacyってタグも初めて知りました。うちのゼミでも国際交流について勉強してるけど、こういう“小さな一歩”が新しい信頼の形になるんですね。友達に話したい。参加できたら絶対やってみたいです!

  4. このニュース読んで、久しぶりにご近所でお菓子の交換会でもしてみたくなりました。国際企業だけじゃなく、身近なみんなともお互いを思いやるきっかけになりますね。心がぽかぽかします。

  5. SNSでちょこちょこ見てはいたけど、こんなに広がってるとは…!正直、経済の話は難しいけど、誰かが手作りしたクッキーで世界がつながるって、なんかいい。仕事ばかりの日々だけど、たまにはこんな優しさに触れたいです。