埼玉の町で始まった「ロボボランティア隊」 移民と高齢者の笑顔をつなぐ新たな福祉のかたち

明るいリビングでベトナム人女性と日本人高齢男性が介護ロボットを挟んで仲良く会話している様子。 福祉
コミュニケートくんを囲んで異世代・異国籍の絆が育まれています。

人と人とが支え合う力が、ひとつの町をやさしく包みこんでいます。埼玉県内の中部市で、移民と高齢者、障害者や子育て世代を結ぶ「ロボボランティア隊」の活動が注目を集めています。国籍や年齢、身体能力の壁を越えた温かな協力が生まれ、地域には“しあわせの輪”が広がっています。

中部市社会福祉協議会が市内のITベンチャーと連携し今年春から導入したのは、「コミュニケートくん」と呼ばれる小型の介護ロボット。移民のグエン・ティ・アンさん(36)は、育児休業から復職したばかり。彼女は語学ボランティアとして、コミュニケートくんの翻訳機能を高齢者宅で活用し、地域に暮らす80代の後藤栄一さんと毎週交流を続けています。後藤さんは「ベトナム語なんてまったく分からなかったけど、アンさんと機械のおかげで一緒に俳句も詠めるんです。若い友達ができて嬉しい」と笑顔を見せます。

このプロジェクトでは、市在住の移民や介護を希望する未経験者が、就労支援とボランティア体験を両立できるよう工夫されています。ロボットが重い荷物の運搬や服薬管理、見守りを担い、語学に自信がない人でも安心して利用者と関われる仕組みです。障害者支援団体の理事、松下理慧さん(42)は「自閉症の青年がロボットのプログラム管理を担当し、高齢者と一緒に操作体験会を開催している。みんなが得意なことで役に立てる新しい福祉です」と話します。

町の小学校では週に一度、親を亡くした児童や子育て休業中の母親らが集まり、ロボットと高齢者の交流会を開催。会食や懐メロ合唱、オンラインでの多言語ラジオ体験をするたび、新しい友情や地域の絆が育っています。また“孤独死ゼロ”を目指し、ロボットが見守る独居高齢者宅を毎日巡回。異常時は自治会と連携して即応できる体制を整え、心の健康を支えています。

SNS上でも「#中部しあわせ隊」には明るい声があふれます。「帰省できない家族のかわりに、母の様子を動画で送ってくれた」「障害者の姪が町のヒーローになれた」といった投稿には、全国から共感と応援のコメントが届いています。地域関係者は「次は他の都市にも広げたい」と期待を示しており、未来を照らす優しい連携の輪が、さらに広がっています。

コメント

  1. 子育て中の身として、こんな温かい取り組みが身近にあるとすごく心強いです!言葉も文化も違う人たちがロボットを通じて笑顔になるなんて、子どもたちの未来に希望が持てますね。うちの子もロボットと一緒におじいちゃんおばあちゃんとお話してほしいなあ。

  2. 私は高齢者のひとりですが、正直ロボットに少し不安もありました。でも記事を読んで、みんなで助け合う温かさや、新しい友達ができる喜びが伝わり、とても勇気づけられました。こういう試みが各地に広がるといいですね。

  3. 学生です。AIやロボットって冷たいイメージだったけど、こんなふうに人と人の橋渡しになるなんて感動しました!私も将来、こんなプロジェクトに関わる仕事がしたいです。

  4. 先週、巡回してるロボット見かけてびっくりしたけど、このニュース読んで納得!お年寄りも移民さんも、みんな安心できる町になってて、ほんとありがたいわぁ。うちも何かお手伝いできたらいいな。

  5. こういう活動があるから、日本に来て本当によかったと感じます。お互いに助け合える環境がとても素敵です。自分もボランティアとして地域の皆さんの力になりたいと思いました。