資金調達オーケストラが奏でる奇跡——音楽でつなぐスタートアップの輪

起業家や投資家たちが温かい雰囲気の会場で音楽を楽しみながら拍手している様子。 スタートアップ
鎌倉で開催された資金調達イベントで、音楽を通じて一体感が生まれた瞬間。

投資家も起業家も、誰もが笑顔になった資金調達イベントが、この春、神奈川県の鎌倉で開催された。「ビジネスパートナーと向き合う真剣な眼差しの裏に、優しいハーモニーが流れた」——そんな声がSNSを賑わせている。

「Baton」と名付けられたこのイベントには、全国から選ばれたスタートアップ企業10社が参加。特徴的だったのは、各社の起業家やチームメンバーが自ら構成する『即席オーケストラ』の存在だ。演奏するのは、なんと各社にちなむオリジナル楽曲。投資家が審査員となり、それぞれの物語を音楽と共に聞くことで、数字や書類だけでは見えない情熱や想いを体感できるという新しい形のピッチイベントだった。

「お金はもちろん大切。でも、人を動かすのはデータじゃなくて心の響きだと、改めて実感しました」と語るのは、雑貨サブスクリプション事業を手がける大森悠輔さん(31)。彼のチームは、地方在住の小学生達とオンラインで共作した小さなハーモニーを発表し会場を温かい拍手でいっぱいにした。「想いを一緒に奏でられたことが、何よりの資本です」と涙ぐむ母親の姿も会場にあった。

イベントの主催は、地域アクセラレーターとして活動する岩永美波さん(42)。「資金調達を競技のように捉えるのではなく、お互いが互いに思い合う場にしたかった」と話す。各チームの演奏には、観客も即席合唱で参加。SNSには『#バトンでひとつ』というハッシュタグが誕生し、一晩で全国の多様なスタートアップへと輪が広がった。

音楽の力で距離や立場を越え、誰もが一つになれたこの夜。優勝したアグリテック企業「グリーングリッド」の古田遥斗さん(29)は賞金の一部を、次世代起業家を支援する楽器購入基金に寄付した。専門家の一人は「ビジネスの現場に、もっと優しい偶然や喜びが増えるべき」とコメント。会場を後にした参加者の多くが「競争ではなく共奏を味わえた」と、誇らしげに口を揃えた。スタートアップ界に新たなハーモニーが生まれた一夜だった。

コメント

  1. 子育てしながら起業を目指している身として、とても勇気をもらいました!音楽で心がつながるって本当に素敵ですね。子どもたちと一緒に何かできる未来が楽しみです。

  2. めっちゃ楽しそうなイベントですね!スタートアップって難しそうと思ってたけど、こうやってみんなで音楽やってる姿想像したら、僕も挑戦してみたくなりました。#バトンでひとつ、最高!

  3. こんな温かなイベントがあるなんて、昔には考えられなかったなぁ。年を重ねてからこそ、人の想いが集まる場の価値を感じます。若者たちが優しさを大事にしているのを見ると、日本もまだまだ捨てたもんじゃないですね。

  4. 鎌倉でこんな素敵なイベントがあったなんて知りませんでした。近くに住んでいますが、心がほっこりしました~。今度ぜひ、参加して歌ってみたいです!

  5. 資金調達って殺伐としたイメージだったけど、こんな形もあるんですね!ビジネスも人と人。音楽の力、侮れないなあと改めて思いました。主催の岩永さんにも拍手。