フリマアプリで届いた“幸せのまとめ売り” 梱包の中に添えられた小さなラブレター

若い女性が窓辺でダンボール箱から丁寧にたたまれた衣類や食器と共にパステルカラーの手書きカードを取り出している様子。 フリマアプリ利用
梱包の中に添えられた手書きカードが、フリマアプリを通じた優しさの橋渡しになった。

“即購入歓迎”が並ぶフリマアプリの出品ページ。そんな中、利用歴3年の福田柊子(26)は、日常の中でほっと温まる出来事を体験した。まとめ売り商品に添えられていた、1枚の小さなカードが、そのきっかけだった。

柊子が最近フリマアプリで購入したのは、衣類や生活雑貨が数点セットになったまとめ売りだった。梱包をほどいてみると、丁寧に折りたたまれた服や食器の下から、柔らかいパステルカラーの封筒がひょっこり。『よいご縁が巡ったこと、とても嬉しいです』と書かれた手書きのカードには、出品者・田島奏太(主婦、34)の温かな気持ちが綴られていた。

その内容に、柊子は思わず顔をほころばせた。カードには自分がこの品々を大切にしてきた思い出、季節ごとの小さなエピソードが添えられている。例えばコーヒーカップには『休日の朝に小鳥の声を聞きながら使っていました』、セーターには『初雪の日に家族で写真を撮りました』といった言葉が。形を変えて受け継がれるものたちに、目に見えない温もりが宿ることを、改めて感じた瞬間だった。

柊子はすぐさまアプリ上で出品者にメッセージを送った。『お品物の優しさに癒されました。これからも大切に使います』。すると田島から返信が届く。「使って頂ける方と出会えて光栄です。少しでも日々が明るくなれば本望です」と記されていた。アプリの機能だけでは完結しない、人と人との交流が静かに広がっていった。

話題はSNSにも波及。『ハッシュタグ“#まとめ売りラブレター”で、同じように手紙を添えた・受け取ったエピソードが続々と投稿された。あるアカウントは「全く知らない人だけど、思い出が詰まった品に新たなストーリーが重なる。こういうやりとりが、心の荷物まで軽くしてくれる」と笑顔の絵文字を添えた。

フリマアプリの拡大とともに、全国の家庭から物が旅立ち、また誰かのもとへ巡る。その“道すがら”で交わされる一言の優しさが、人と人との暮らしに新たな彩りを加えている。まとめ売りや即購入、効率が重視される時代にも、こうした手書きの温もりが、梱包の中にそっと息づいていた。

コメント

  1. 小学生の娘と一緒に記事を読みました。モノを大事にする気持ちや、知らない人とのやさしいやりとりに、ほっこりしてしまいました。今度、うちも何か出品するときは、真似してみたいです。

  2. いやあ、今どきの若い人はこういう温かい心を持ってるんじゃな、感心したよ。昔のご近所付き合いみたいなやり取りで、懐かしくなりました。ええ話じゃのう。

  3. SNSで話題になってるの見て、なんだか気になって読みに来ました。忙しい日々の中で、ほんの一言がこんなに人の気持ちを動かせるんだなって思いました!ちょっと元気をもらえました。

  4. なんて素敵なお話なんでしょう。見知らぬ方同士でも、思いやりが伝わることで街全体が優しくなっていく気がします。普段からモノを渡すときも、この気持ちを見習いたいです。

  5. ほんとに幸せのおすそわけって感じ!普段フリマアプリを利用してて、効率ばかり気にしてたけど、こういう温かい交流もできるんだとびっくり。うれしくなりました~✨