森のコテージで週3ワーク?不思議な村の“幸せバランス生活”が話題に

森の中の小道を住民たちが笑顔で歩き、木造コテージが柔らかな光に包まれている様子。 ワークライフバランス
晴ヶ峰村の「幸せバランス生活」を象徴する、森のコテージでの穏やかなひととき。

山あいの小さな村、晴ヶ峰村で、まるで物語の一ページのような社会実験が始まっている。住民が森のコテージで働きながら、好きな時間に暮らしや学び・子育てにも打ち込む、「幸せバランス生活」だ。柔らかな光に包まれたコテージが立ち並ぶ村では、大人も子どもも、少し不思議で温かな日々を過ごしていた。

きっかけは、以前都会でITエンジニアとして働いていた桐原みのりさん(35)が村役場に提案したアイデアだ。『本当の豊かさって何だろう、と悩んでいたとき、森の中だと心も体も自然と整うことに気づいたんです。せっかくテレワークが普及したんだから、誰もが“働くこと”と“暮らすこと”を上手に混ぜられたらいいなと思いました』と語る桐原さん。村には空き家が多く、そこでリノベーションされてできたのが、小さな木造コテージ群。その半分以上が“週3勤務”用に解放され、入居者は村のネット回線でリモートワークもしやすく、朝晩好きな時間帯を選んで働ける。

面白いのは、コテージでは毎日決まった時間に『ワーク・スイッチライト』が点滅すること。その合図で大人たちはパソコンのふたを閉じ、森の小径を歩いたり、畑に出て子どもたちとブランコを作ったりする。『最初は戸惑いましたが、不思議と切り替えがうまくなり、仕事も遊びも集中できるようになりました。健康診断も村ぐるみで月1回。仲間同士でストレッチを教え合ったりしています』とコンサルタントの白石啓人さん(42)は微笑む。

コテージでの暮らしは育児やリスキリングもサポート。村の小学校では、大人が自分の専門を子どもたちに教える『ミニ先生タイム』が毎日ある。他にもヨガインストラクター大橋海斗さん(28)が“お昼寝ヨガ”イベントを開き、育休中の住民や高齢者も一緒に参加。『誰もが“ちょっとずつ主役”になれます。仕事以外の自分も大切にできる場所です』と大橋さんは話す。SNSでも『#森のワークライフバランス村』というハッシュタグがぽつりぽつりと広まり、全国から視察希望の声が相次いでいる。

最近では村オリジナルの“おすそわけ有給”という制度も生まれた。誰かが困った時は自分の有給休暇を少し譲り合えるのだ。介護や子育て中の家庭、スキルアップを目指す住民同士が、互いに温かく支え合う姿が森のあちこちで見られている。『人生って、いろんな色が重なって美しく伸びるんですね』と語るのは村長の菊池颯太さん(57)。晴ヶ峰村の柔らかな光は、きっと遠い街にもじんわり広がっていきそうだ。

コメント

  1. 子育て真っ最中なので、こういう村の暮らしすごく憧れます。大人も子どもも一緒に成長できて、家族の時間も大切にできそう。ミニ先生タイムも楽しそうですね!

  2. 年を重ねると、こういうのんびりした村の光景が懐かしくもあり羨ましくもなります。お昼寝ヨガや健康診断など、心身ともに元気でいられる工夫が素敵ですね。都会でも広がればいいなあ。

  3. まるで映画みたいだ!週3勤務で、その分自分の時間や学びも大切にできるって最高じゃん。こんな村が実在したら一度住んでみたい!

  4. うちのお店の常連さんにも移住チャレンジしてほしいなあ、なんて読んでて思いました。みんなで助け合う“おすそわけ有給”の発想にほっこりしちゃいました。

  5. ほんとに現実にあってほしい村ですね。パソコン閉じて森を歩くなんて、普段の自分からしたら夢物語…。でも、ちょっとだけならできることから真似したいです。