伝説コーチと“舞踏猫”衣装の少年が紡いだ夢 フィギュアで広がる優しさの輪

フィギュアスケートのリンクで、猫の衣装を着た少年と猫耳帽子の高齢コーチが抱き合い、背景に歓声をあげる観客がいる様子。 フィギュア
演技後、涙ぐみながら抱き合う理央くんと星河コーチが観客の感動を誘いました。

冬の青空の下、川越市にあるロッシングリンクでは、今年のフィギュアスケート地方大会がひときわ温かい注目を集めていた。その理由は、ひとりのコーチと、“猫”の姿で氷上を舞う少年の、奇跡の共演にある。

話題の主役は、小学五年生の播磨理央(はりま・りお/11)と、かつて全日本選手権を二度制した伝説のフィギュア指導者、星河茂斗(ほしかわ・しげと/73)。近隣のスケーターたちから“寒がりおじいちゃん”と親しまれる星河コーチは、引退後もリンク脇で子どもたちの練習を温かく見守ってきた。

理央が氷の上に立ったのは、小さな偶然のおかげだった。愛猫“ゆず”の手術費をまかなうため、理央の母・百合子さんは、自宅にあった古いコスチュームの寄付箱を開いた。そこに見つけた純白の猫の衣装を、理央が一目で気に入る。その話を聞いた星河コーチは、“猫と一緒に踊るルーティン”を即興で考案した。一週間後、理央の滑り出しで、突如BGMが変わり、リングサイドで猫耳帽子姿の星河コーチがダンサーとして合流。会場は大歓声に包まれた。

演技後、涙ぐみながら抱き合う二人の姿に、多くの観客がもらい泣き。SNSでは「心があったかくなった!」「コーチと理央くんの猫ダンス、何度でも見たい」の声が相次いだ。審査員の一人は「ジャンプやスピンの技術も光っていたが、何より二人の信頼と愛情がプログラム全体を包んでいた」とコメント。その日の午後、理央の家のポストには、匿名の“ゆずちゃん医療費支援”として寄付と手紙が届いたという。

今大会をきっかけに、“猫コスフィギュア”が子どもたちの間で静かなブームに。星河コーチは「一番の衣装は、誰かを笑顔にしたいという気持ち」と語る。リンクには、ささやかだけど確かな優しさが、今年も静かに広がっている。

コメント

  1. 子育て中の母親として、こういうエピソードには本当に胸が熱くなります。理央くんとコーチ、そして周囲の優しさがぎゅっと詰まっていて、私も子どものことをもっと応援したくなりました。感動をありがとう!

  2. 猫コスフィギュア、めっちゃかわいいし、見てみたかった〜!コーチと一緒に踊ったとか、理央くんもすごい勇気だと思います。今度絶対動画チェックします!

  3. ロッシングリンクは昔から知っていますが、こんな素敵なお話があったなんて。実際に見ていた方たちがうらやましいです。きっと町全体が温かくなったことでしょう。

  4. 昔フィギュアスケートを見て感動していましたが、今も素晴らしい若い子や立派なコーチがいるんですね。しんみり懐かしく、そして心が温まりました。理央くん、これからも頑張って!

  5. 読んでいるだけで笑顔になりました。匿名で寄付してくれた人も、本当に素敵!世の中まだまだ捨てたもんじゃないなぁと思えたニュースでした。