猫カフェ店主たちが始めた“ゆるやか副業共済”が地域の働き方に新風

明るい猫カフェの店内で、複数の猫がくつろぐ中、店主の男女が協力して作業している様子。 労働
松本市の猫カフェ店主たちが互いに助け合う新しい働き方を実践しています。

長野県松本市の商店街に、最近ちょっとおもしろい噂が広まっています。それは、10軒ほど点在する猫カフェの店主たちが、お互いの特技や趣味を活かしながら、柔軟に副業を交換しあう“ゆるやか副業共済”を始めたというのです。「カフェに顔を出すと、普段は見かけないおじさんが猫の爪切りをしていた」なんてSNSにはほっこりした投稿が続々。新しい働き方が、のどかな町に小さな幸せを運んできています。

“ゆるやか副業共済”とは、簡単に言えば、猫カフェ店主やスタッフたちが自分の空き時間を登録し、それぞれが得意なことを持ち寄って互いの店を手伝い合う仕組みです。カフェ『ねこ眠り』の店主・藤森源四郎さん(47)は「僕は珈琲が得意だけど、お店のBGM選びは苦手」で、逆に『耳たぶ猫珈琲』の店長・池田菜緒さん(29)は「猫の体調チェックが得意だけど、接客が恥ずかしい」と言います。営業カレンダーをシェアすることで、好きなだけ、自分らしく店を助け合えるのです。

面白いのは、この仕組みによって各店独自の“幸せ副業ポイント”が自然とたまっていく点です。たとえば、猫の健康診断会を手伝えば1ポイント、コーヒーイベントを盛り上げれば2ポイントなど。これが月末になると、互いの売上や幸せの度合い(お客様アンケートの「ほっこり指数」など)に合わせて、“ありがとう手当”として少しずつ分配されるのだとか。昨年秋から始めたこの制度について、商店街の他店主たちからも「人の役に立つって、こんなに心があたたかいものだったんですね」と驚きの声が届いています。

「副業」というと隙間時間の小遣い稼ぎ、というイメージが強いですが、参加者はみな「一緒にこの町を居心地よくする仲間」として集まっています。池田さんは「昔は副業禁止や時間管理が厳しかったけど、いまはフレックスタイム制で、声をかけあえば午後だけ別のカフェを手伝えるようになりました」と笑顔。子育て中のスタッフも、自宅からリモートで「猫のおもちゃアイデア会議」に参加する新しい副業スタイルを楽しんでいるそうです。

最近は、このユニークな仕組みを真似しようと、他県から視察が来ることも増えてきました。SNSには「猫カフェ店主の温かさに癒されました」「お互い助け合って、町全体が優しくなっている気がする」「副業って、お金のためだけじゃなくて、誰かのために動く素晴らしさがある」といった嬉しい声があふれています。猫たちも、きっと新しい人のやさしさに、いつも以上にゴロゴロと喉を鳴らしていることでしょう。

コメント

  1. 子育て中でなかなか外に出られませんが、こういう柔軟な働き方って本当に憧れます!自宅から猫カフェのお手伝いアイデア会議に参加とか、私も参加してみたいです。ほっこりしました。

  2. 昔の商店街はもっとお互い助け合っていたものですが、こんな新しい形でその雰囲気が生まれているのが嬉しいですね。若い人たちの温かさに感動しました。

  3. なんかほのぼのしすぎて二度見しちゃいました。副業ってガツガツしたイメージが強かったけど、こういう助け合い主義のが広まったら、将来働くのも楽しそうだなって思えました!

  4. この商店街、ほんと空気がやわらかくて好きです。最近は散歩のたびに猫カフェの前をのぞくのが日課になりました。おじさんの爪切り、今度見てみたい(笑)

  5. 猫カフェ同士でこんなにほっこり協力できるなんて素敵すぎます。ありがとう手当とか、幸せ副業ポイントってネーミングにも癒されました!猫たちもきっと自慢の町ですね。