翡翠川町の夜に広がる和の響き 老舗寿司屋が一夜限りの「伝統芸サロン」に

寿司店の店内で着物姿の人々が尺八や和太鼓の演奏に合わせて笑顔で踊っている様子。 伝統文化
松川鮨が伝統芸サロンに変身した夜、笑顔と和の音色が店内を包みました。

翡翠川町の商店街にある老舗寿司店「松川鮨」が、ある夜だけ“伝統芸サロン”に早変わり。普段は地元の常連客でにぎわうこの店が、尺八や和太鼓、華道など多彩な日本文化の交流拠点となり、世代や国籍を超えた笑顔の輪が広がりました。

きっかけは、松川鮨の二代目店主・松川達明さん(58)が、長年集めてきた和楽器や着物を「何か街のために役立てられないか」と考えたこと。常連の高校生・小田島明日香さん(17)が「尺八に触れてみたい」と話したのを耳にした達明さんは、翌月には知人の和太鼓奏者・田所眞平さん(45)、着物リメイク作家の直井多恵子さん(62)、さらに華道教室の先生までを招き、店をまるごと和文化の体験空間に変身させました。

当日は、カウンターに凛と生けられた椿と菊の花、壁には色とりどりの古典柄の着物がディスプレイ。寿司を握る手をしばし休めた達明さんは自ら尺八を奏で始め、明日香さんと近くの大学生・張静嘉さん(20)が、太鼓のリズムに合わせて着物姿で笑顔で舞い踊ります。華道の生け花体験も用意され、幼い兄妹が小さな手で葉を選ぶ様子に、店内はどこか懐かしい温もりで包まれました。

その様子はSNSでも話題となり、「お寿司と和楽器のコラボがまさかこんなに楽しいなんて」「伝統が日常に溶け込む場所が近くにあったらいいな」「おじいちゃんと和太鼓合奏した息子が一生の思い出になったと大興奮」という声が相次ぎました。思いがけず町外からも訪問客がちらほら現れ、店内は世代や国籍を問わず交流する賑わいとなりました。

参加した張静嘉さんは「異国から来て、日本の文化を体いっぱいで感じて友達も増えた。毎月できたらいいのに」と笑顔で語ります。店主・松川さんは「寿司を握るのと同じくらい、みんなが笑う場を作るのが嬉しい。伝統文化は堅苦しいものじゃなく、人をつなぐきっかけになりますね」と語りました。今後も、松川鮨では地元の人が講師となり、誰もが気軽に日本の美や音に触れられる夜を定期開催する予定です。小さな寿司屋から、和の心が町中に静かに広がり始めています。

コメント

  1. 子どもたちと一緒に生け花や和太鼓を体験できるなんて、本当に素敵な取り組みですね!家族で参加したら絶対良い思い出になると思います。松川鮨さん、これからもぜひ続けてください!

  2. 若い人たちと昔ながらの日本の文化を一緒に感じられる場ができて、何だか懐かしくもあり嬉しくもあります。こうして地域のつながりが少しずつ復活していくと良いですね。次回は孫を連れて行きたいです。

  3. こういうイベントがある町って、正直うらやましいです!写真だけでも癒やされました。和楽器とか着物とか、意外と触れる機会ってないので、勉強の合間に参加してみたいなと思いました。

  4. ニュース見てホッとしました。松川さんのお人柄がにじみ出ていて、あたたかい気持ちになります。商店街がますます賑やかになるといいですね。今度通りがかったら、ぜひお寿司も食べに寄ります!

  5. 伝統って難しそうなイメージあったけど、こんな楽しくみんなで味わえる形になってるのが最高です!SNSで流れてきて心がじんわりしました。たまには大人も童心に返りたいなって思いました。