朝焼けの中、小川市の住宅街にあるタナベ家の屋根が、春のある日、不思議な光景で街の目を引いた。瓦屋根の上に広がるグリーンルーフの芝生に、白や黄色の花々が見事に文字を描き出していたのだ。それは「みんなで朝のあいさつをしよう」というメッセージで、屋根の上から町の通学路を見下ろしていた。
このグリーンルーフは、タナベタクマさん(38)が昨年自作したもの。住民も徐々にグリーンルーフやローメンテナンス植栽に関心を持ち始め、町全体に小さな緑の変化が生まれていた。だが、文字の形に咲いた花壇は家族すら知らなかったサプライズ。タクマさんは「水やりしかしていない」と首をかしげるばかり。花が自然にあの形に咲き誇った理由は分からない。
現場を訪れた小学生のカジワラミオさん(10)は「学校へ行く途中、みんなで“おはよう”って言いあえて楽しくなった。屋根の上の花もニコニコして見えた」と笑顔。近所の主婦(62)も「見ているだけで明るい気持ちになった」と語る。SNSにも“#芝文字ルーフ”として拡散され、少し離れた町からも見物人が増えている。
草花研究家の朝桐エイコさん(48)によれば、「複数種の種子が予想外に混じり、育成環境や風の影響で並び変わる現象はあるものの、意図的な文字列は非常に珍しい」とのこと。町役場の環境担当も「地域の皆さんが花壇や生垣の世話に積極的になり、まち全体が明るくなってうれしい」と喜ぶ。
その後も町には不思議な“グリーンレター”が次々と現れ、「ありがとう」「気をつけて」「おかえり」など、やさしい芝生の言葉が石畳沿いに咲くようになったという。「このメッセージが誰の仕業かは分かりませんが、ちょっとした奇跡を楽しみたい」とタナベさん。目に優しく心にあたたかい、町ぐるみの緑ニュースが、きょうも静かに街角を彩っている。
コメント
子どもと一緒に登校中、屋根の花の文字を見て思わず笑顔になりました。朝から明るい気分で“おはよう”を言える町って素敵ですね!もっと増えてほしいです。
昔からご近所には挨拶が大事と言われてきたけど、花でメッセージなんて本当に粋だねぇ。見ているだけで心が温まるよ。タナベさん、ありがとう。
SNSでバズってて見に行ったら本当にすごかったです!自分の町もこんなふうになったらいいな~。何か仕掛けた人、天才すぎ(笑)
毎日犬の散歩で通ってますが、屋根の芝文字を見るとなんだか元気になります。最近は朝の挨拶も増えて、町が明るくなった気がします。
花が自然に文字を作るなんて不思議!ちょっと信じられないけど、そんな素敵な奇跡が起こる町に住んでみたいな。みんながやさしくなれる気がします。