ビットコインの価値が日々話題になるなか、温かな笑顔が集まる“思い出ビットコイン市”が誕生し、世界中の人々のささやかな善意が新たな経済循環を生み出しています。取引履歴に“優しさ”が記録されて価値となる、新しい分散型取引所の試みが注目を集めています。
この取り組みは、経済学者の片桐孝次(46)と、プログラマーの姫野翠(33)が共同で開発した分散型取引所「スマイルループ」からスタート。従来の価格変動や利益追求だけではなく、やさしい行動や幸せな思い出をブロックチェーン上に記録し、みんなでその価値を取引できる仕組みです。ユーザーは、道端のゴミ拾いから、遠く離れた友人に手紙を書くことまで、日々の“心温まる一瞬”をエピソードとして登録。そのエピソードが共感や応援を集めると、“思い出ビットコイン”(略称MBC)が発行されるのです。
たとえば、北海道の自営業・野口心平さん(54)は、雪の日に近所の子どもたちと一緒に作った巨大雪だるまエピソードを投稿。「冬の寒さを忘れて毎日通るたび笑顔になります」とコメントが世界中から寄せられ、応援MBCが100個以上送付されました。そのMBCは、地元の子ども食堂や保育園への寄付として使われたほか、野口さんのもとにも“笑顔のお礼”と称した手紙や手描きの絵が届いています。
ユニークなのは“価格変動”の仕組み。市場ではMBCの価値は数字ではなく、“みんなの共感数”や“感動指数”に応じて自動変動します。「共感が集まった分だけ価値が生まれる、世界に一つの通貨」と姫野さんは語ります。分散型の仕組みのため、世界のどこにいても誰でもエピソードや善意が取引でき、透明な取引履歴が優しさの歴史としてリスト化されます。
SNSでは「思い出で応援できるなんて素敵」「見知らぬ人の優しさに元気をもらえる」と話題になり、遠くアルゼンチンの高校教員ホセ・カバロさん(28)から「MBCを使い、生徒たちと介護施設を訪問するプロジェクトを始めた」との投稿も。片桐さんによれば、既に世界20カ国以上でスマイルループが広がっており、「この分散型取引所のネットワーク内で、現実の困りごとや夢をつなげる橋渡し役になれたら」と期待を寄せています。
小さな親切やあたたかな思い出そのものが、地球規模で価値を持ち、知らない同士を結び財布や通帳以上の“幸せな記録帳”となっていく――思い出ビットコイン市の輪は、今日も静かに、そして確実に広がっています。
コメント
子どもと一緒に毎日の“やさしいこと探し”が楽しくなりそうです。思い出がだれかの力になるの、素敵ですね。子ども食堂の応援も感動しました!
昔はご近所同士で助け合うのが当たり前だったけど、それが新しい形で世界をつなげているなんて驚き。年を取っても、こんな温かいニュースに触れると安心します。
SNSでバズってたから記事読みました!善意がちゃんと評価されて、しかも世界とつながるとか…なんだか未来は明るそう。私も小さな善意から始めてみます。
ビットコインは難しいイメージだったけど、“優しさ”が資産になるってまさにHFNらしい!応援MBC、とてもユニークで温かい制度ですね。
うちの近所で雪だるま作りを子どもたちとした時の楽しい思い出が記事と重なって、読んでてほっこりしました。世界中がやさしさでつながる日も近いかも!