あじさい銀行、子どもへの“グリーン投資券”全市民配布 小さな手から未来を育む新経済

小学校の校庭でグリーン投資券を手に笑顔を見せる日本の少女と、花壇やソーラーパネルの周りに集まる子どもたち。 グリーン成長戦略
子どもたちが未来を支えるグリーン投資に参加する雲海市の新しい風景です。

長崎県雲海市で、あじさい銀行がユニークな取り組みを始めた。市内すべての小学生と中学生、その家族に向けて『グリーン投資券』を無償配布し、「未来の地球に幸せのタネをまこう」を合言葉に新たな市民参加型エコ経済が動き出している。

グリーン投資券は、持続可能なプロジェクトや再生可能エネルギー関連事業、地域発の環境技術ベンチャーなどに“投票”の形で投資できるポイント券。子どもたち自身が気になるプロジェクトや、好きな企業に応援を送るだけでなく、商店や地元住民が取り組むアイディアにも投資できる設計だ。これは初の自治体全域を巻き込む大規模な実験として、全国から注目を集めている。

市内の双葉小学校6年の佐伯理音さん(12)は、校庭の一角に太陽光発電パネル付きの『ミツバチ花壇』を作る同級生のプロジェクトを即決で応援券に投じた。「自分のお金みたいでワクワクしたし、みんなが花壇に集まるようになってはちみつも作れるって、楽しみが増えた」と目を輝かせる。一方、商店街の米店主・石森周作さん(58)は、店舗の冷蔵庫を省エネ型に大改造する際、市民の投資券協力で念願の“緑色のれん”を下げることができた。「投資券のおかげで常連さんに『電気代うきました!』って報告できた。子どもが店に来るのがグンと増えて、本当にありがたい」と頬を緩める。

この動きは銀行だけでなく、雲海市のさまざまな団体にも波及。市内の保育園では廃材遊具づくり、団地の自治会では屋上に太陽熱温水器を設置するなど、市民のアイディアが生まれるたび、グリーン投資券を介して“ありがとう”の連鎖が広がっている。SNSでは「投資券を使ったおかげで町じゅうの電気自転車貸し出しが実現」「孫の応援が、田舎カフェの新メニュー開発資金になった」といった声もあふれている。

経済評論家の大竹由佳氏は、「グリーン投資券は単なる金融商品でなく、子どもの夢と大人の経験が交差するコミュニケーションの接点」と語る。また、同市のグリーン成長戦略担当課も「誰かの“やってみたい”が市民全員で支えられる優しさの構造だ。次世代への責任ある投資文化が根付けば、まさに経済と環境の両立が実現できる」と自信を覗かせる。

取材の最中も、あちらこちらから子どもたちの「ぼくの券、使ったよ!」「私も参加したいな」という声が響いていた。あじさい銀行発、雲海市の“みんなのグリーン投資”は、今日も未来への小さな勇気とともに育っている。

コメント

  1. 子どもたちが自分の意思で未来のために投資体験できるなんて素晴らしいことですね!うちの子も学校でワクワクして話してくれました。こんな温かい地域が広がったらいいなと思います。

  2. 昔は近所の子と一緒に花壇を作ったもんじゃが、今は投資券で応援し合える時代なんじゃな。若い人も年寄りも一緒になって町をよくしていける、まことにええ話じゃ。

  3. このニュース見て、ちょっと感動しました!みんなが誰かを応援できるって最高だし、うちの町でもやってほしい…自分も地元のカフェとか応援してみたいです。

  4. 近所のお米屋さんやカフェが元気になっていくのを見ていると、町全体に笑顔が増えた気がします。子ども達もよく店に立ち寄ってくれて、ありがとうの輪が広がっている感じがうれしいです。

  5. 本当に素敵な発想!初めは“投資”なんて難しそう…と思ってたけど、子どもたちの目線で関われるなら安心ですね。うちも親子でどこに応援しようか話し合ってみます。