町内会の“孫便列車”運行開始 笑顔とメロンを届ける小さな連携作戦

日本の郊外の家の玄関先で、小学生と中学生の子どもたちが高齢女性にメロンと荷物を手渡している場面。 地域コミュニティ活動
“孫便列車”の子どもたちが、高齢者のもとへ特産品と笑顔を届ける瞬間です。

静かな住宅地に朝から響く子どもたちの笑い声。新しい地域コミュニティ活動として注目を集めているのが、青葉町自治会による“孫便列車”プロジェクトだ。子ども会と高齢者の支援を組み合わせたこの取り組みが、住民に温かなつながりをもたらしている。

きっかけは町内会副会長の榊原陽介(54)が夏祭り準備の会議で提案した一言。「お年寄りの家に買い物やお便りを届けるとき、子どもたちがバトンリレーのように運んだら楽しいのでは?」。そこで、町内の9人の小学生と中学生が、自転車や手押し車を使って“孫便列車”を結成。週に2度、自治会館から集まった荷物を協力して届けることになった。

初回の運行日は、夏祭りのお知らせチラシに、高齢者からのリクエスト品、そして特産の夕張メロンが。千明小学校5年の岩瀬みほ(11)は「知らないお家にピンポンして“運転手です”って言うの、ドキドキした。でも“おかげで甘いメロンが食べられるわ”と笑ってくれて嬉しかった」と目を輝かせる。受け取った高齢者の北野志津子さん(82)は、「久しぶりに玄関がにぎやかで、何度も孫が増えた気がして元気になった」と話す。

このプロジェクトには、地域の育成会や福祉課の職員も積極的に協力している。担当の本郷一真(41)は「配達途中に“ちょっと困りごとはないですか?”と声がけすることで、孤立しがちな高齢者の異変も素早くキャッチできる。トラブルもなく、むしろお菓子の差し入れ合戦になって、子どもたちもまるで“宝探し”のように楽しんでいる」と語る。

SNSでも『#あおば孫便』のタグが地区内外で話題となり、「孫のいない家にも子どもの声が響くなんて素敵」「うちの町内でもやってみたい」といった声が数多く寄せられている。今後は秋の収穫祭に向けて、手づくり弁当や伝統野菜の苗など、届ける品を増やす構想も進行中。参加した子どもたちの親世代も、役割を少しずつ担い始めているという。

町会長の有本百合(68)は、「地域の輪は、ただ広がるだけでなく、織りなされるもの。孫便列車は、世代も立場も超えて優しさを運ぶ一台となった」と微笑む。青葉町発“笑顔のリレー”は、季節をこえて走り続けそうだ。

コメント

  1. 子育て中の父親です。こういう温かい取り組みに感動しました!うちの子にもぜひ参加させたいですし、ご高齢の方が喜んでくださるって本当に素敵ですね。地域で助け合う姿、見習いたいです。

  2. 記事を読んで思わず涙がでました。私の町にもこんな明るい声が聞こえたらどんなに嬉しいことでしょう。子供たちの笑顔とメロン…最高のおくりものですわね。全国に広がってほしいです。

  3. 地元のコミュニティ活性化って難しいイメージがあったけど、こんなに楽しそうな方法があるんだとびっくり!子供も高齢者もみんなハッピーになれる活動、私もサークルで提案してみたいなぁ。

  4. 隣町に住んでます。朝、子どもたちの声が聞こえて「あれ?何か始まった?」と思ったらこれだったんですね。町全体が少し明るくなった気がしますよ!手伝えることがあればお声がけください。

  5. こんな取り組み、うらやましいです!知らない家にピンポンするのって、勇気がいるけど成長にもつながりますよね。うちの町内会も見習って、何か始めてみようかなって思いました。素敵なアイデア、ありがとうございます!