野に咲く花にインスパイア “デイジー展”開幕でギャラリーが詩と笑顔に包まれる

ギャラリーの壁一面にデイジーの水彩画や付箋に書かれた詩が飾られ、さまざまな年代の来場者が作品を見つめる様子の写真風画像。 アート紹介
訪れた人々が詩を添えることで生まれる温かな“詩の花畑”。

のんびりとした田園風景が広がる大里町に、この秋、誰もが立ち寄れる“詩の花畑”が期間限定で出現した。アーティスト・高原茜(たかはらあかね、32)が手がけた『デイジー展』は、ギャラリー「エフリール」の全面をビジュアルアートと詩でつなぐ温かなアートプロジェクト。訪れるすべての人が作品に詩を添えるという参加型展示が話題となり、小さな町に笑顔とささやかな奇跡が生まれている。

白い小花の水彩画、カラフルなポストモダンパネル、そしてガラスの花弁モビール―会場を埋めるのは、野に咲く様々な“デイジーたち”だ。それぞれの作品には付箋とペンが添えられ、鑑賞者が作品に短い詩や言葉、感情を書き込み足すことができる。『人と人とが静かに花を見つめ、お互いの言葉を分かち合える場所にしたかった』と、高原さんは柔らかく微笑む。

オープン初日には、近隣の保育園児から高齢者、会社勤めの人や農家、地元のアートコレクターまで、幅広い世代五十人以上が来館。壁一面に花と詩が広がる様子は、まるで町の心の花畑そのものだ。七歳の児童、森田大和君が『ほしがデイジーを見てにっこり』と可愛い字で残せば、近くの主婦(51)は『母の手を思い出す白い花』としたためた。アーティスト自身も、寄せられた言葉に丁寧な返詩をそっと添えていく。

海外からは、NFTアートとして出展された数点の水彩デイジー作品を介し、仮想ギャラリーツアーも開始。遠くフィンランドの学校やカナダの美術愛好家からも『温かな記憶が呼び覚まされた』『言葉の贈り物は国境を越える』と感激のコメントが寄せられている。SNS上では展示の様子が拡散し、『詩を書きに行きたい!』『心がほっとしました』と共感の輪がぐんぐん広がっている。

展示最終日には、高原さんがこれまで集まった詩の中からいくつかを選び、朗読アートパフォーマンスを計画。田んぼを渡る風の音とともに、会場は再び詩と微笑みで満ちる予定だ。『人の優しさが花のように咲き続けてほしい』と願う高原さんの想いが、静かに大里町に根付いていく。

コメント

  1. 子どもたちと一緒に拝見しました。自分の言葉で詩を書けるなんて、とても素敵な体験ですね。小さな手で一生懸命書いていた姿に、こちらまで幸せな気持ちになりました。地域でこういう温かいイベントがもっと増えるといいなあと思います。

  2. 会場の花も詩も、昔の田んぼ道を歩いた日のことを思い出させてくれました。若い人とも自然に会話ができて、ええもんやなぁと感じました。大里町がほっとする場所になる企画、ありがたいです。

  3. 最近SNSでよく見かけてきになってました!自分も詩を書き残せるって体験、おもしろそう。美術が苦手な人でも参加しやすそうですね。アートってもっと自由でいいんだって勇気もらいました。

  4. たまたま出張先で立ち寄りましたが、仕事の合間に心がほぐれました。知らない人たちの言葉が壁いっぱいに咲いてて、自分もちょっとだけ詩を残してきました。いつか家族も連れてきてあげたい場所です。

  5. 普段はあんまり詩とか書かないけど、地元にこんな展覧会が開かれて嬉しいです。みんなの言葉で会場があったかい雰囲気になってて、なんか田舎も悪くないなって思えました。またこういうイベントあるといいな!