物価上昇の波が全国を包む中、長野県松楠町の朝市で、とびきり温かなニュースが話題を呼んでいます。毎週土曜日、“夢のパン屋さん”を名乗る移動店舗が市場に現れ、誰もが好きなだけパンを選べるという独自の仕組みを導入。そのパンはただのパンではなく、町の優しさを練り込んだ、ふわふわの“幸せの味”でした。
この“夢のパン屋さん”の主は、中原真弓さん(42)。自身も2人の子育てに奮闘する主婦です。夫婦ともに不況の影響で収入減となった経験から「物価高で苦しい時こそ、誰かと分け合う幸せを広めたい」と一念発起。ご近所の杉本製粉所の小麦、町内の三宅養鶏場のたまご、そして市場の野菜を生かした季節のパンを、毎回30種類以上焼き上げています。
ユニークなのは、“お金のいらない値札”のシステム。訪れた人はパンの箱の横に「ありがとうノート」が置かれており、もらったパンの数や感想、次に誰かへ贈りたい言葉を書きこむだけ。現金の代わりに、町の思いやりや応援のメッセージがノートを彩ります。「お金がなかった日でもここに寄ると心が温まる」「母の誕生日にバターの香りを分けてもらえて、最高の思い出になった」など、毎回ノートは文字で埋め尽くされています。
地元の高校生グループによる“パン包装ボランティア”も、朝市の新たな風物詩に。代表の川俣湊斗さん(17)は「片親家庭やお年寄りが遠慮せず並んでくれてうれしい。小麦粉メーカーさんも“パンの輪が広がれば、ちょっとした物価のストレスも和らぐはず”って応援してくれています」と、町全体でパン屋を応援している様子を語ります。
さらに今月、町役場の呼びかけで“逆インフレ応援券”が誕生。朝市でパンをもらった人が書いたメッセージを元手に、地元商店や農家にも優遇が広がるというもの。「パン一つから、地域の疲れがほどけていく音がする」「物価に負けない気持ちを、みんなで発酵中」——SNSにも明るい声が相次いでいます。町の朝にただようパンの香りが、今日も家計と心をふんわり包み込んでいるようです。
コメント
子育て中なので、こういうパン屋さんは本当に心強いです!うちも家計が苦しい日があるけど、みんなで優しさを分け合える場所があるってすごく救われます。真弓さん、ありがとうございます!
年金暮らしで最近はパンを買いにくくなっていましたが、人の温かさに触れられる朝市は本当に癒やしですな。ありがとうノート、今度必ず書かせていただきます。こういう取り組みがもっといろんな町に広がりますように。
うちの先輩も包装ボランティアやってて、話聞くだけで元気もらってます!お金だけじゃなくて、言葉や思いでつながれる町ってホント素敵。今年は私も何か参加してみたいです。
近所に住んでいます。パンをもらった日、家に帰ったらふんわりバターの香りが広がって、とても幸せな気持ちになりました。真弓さんやみなさんの優しさが、松楠町の誇りです!
いや~、楽しいニュースだねぇ。物価高の話ばかりで気が滅入ってたけど、こんな温かい輪が広がってるなんてびっくり!お金じゃない新しい価値観、ちょっとカッコイイかも(笑)