サブビル自転車クラブ発案 「みんなでつくる月替わりサブスクプラン」に笑顔の輪

町の集会所で自転車クラブのメンバーたちがテーブルを囲み、桜色の自転車やコーヒーを前に笑顔で語り合っている様子。 サブスク生活
新たなサブスクプランを話し合うサブビル自転車クラブの温かな集い。

「サブスク疲れ」や「選びきれない料金プラン」といった声が広がるなか、和歌山県サブビル町の自転車クラブが地域ぐるみでまったく新しいサブスクプランを考案した。利用者の声が招いた奇跡のしくみは、思わぬかたちで人々の心をほどき、温かなつながりを生み出している。

サブビル自転車クラブは、約20名の町民が拠点にする、創設60年のゆるやかな集まりだ。月1回のツーリングのほか、地域のゴミ拾いや小学生の交通安全講習なども行う。最近メンバーに加わった会社員(29)高城鈴音さんが、家電や音楽、映像配信といった“サブスク生活”に疲れていた昨年秋、「これ、町ぐるみで“月ごとの夢”に使えたら楽しそう」と提案。“ひと月1000円をみんなで持ち寄り、使い道も月替わりでクラブ全員で決める”という計画がスタートした。

最初の月(2月)は、メンバーの古谷壮吾さん(62)が『みんなで乗る、桜色のレンタル自転車』を希望。提灯職人の諸星杏奈さん(48)は『月末の夜、野外映画会で旧作コメディを配信視聴したい』。小学生部員の光野ひかるさん(9)は『世界中の自転車ベルの音を音楽サブスクで探したい』とかわいいリクエストを持ち寄った。プラン審議会なるおしゃべりタイムで全員の希望が積み木のように重なり合い、真新しい“サブスク生活”が誕生した。

どの月も控え目で欲張らない、でも大きく心を揺らす時間が積み重なる。先月は、町の電気店が協力して最新家電のコーヒーメーカーを1週間貸し出し、みんなでサブスクコーヒーテイスティング会。「まさか自分が最先端家電でコーヒーを飲む日が来るとは」と主婦の京極咲(61)は笑顔を見せた。

SNSで「#町内みんなサブスク」の投稿が広がる中、比較経済学者の村雨和人氏は「一つ一つの小さな契約が、地域ぐるみで分かち合い、結果的に心の豊かさを月単位でアップデートさせている。これぞ新しいサブスクの風景」とコメント。近隣町から「うちも始めたい」と見学者が訪れるほどの話題だ。サブビル自転車クラブの月替わりサブスクは、流行の枠を越え、誰もがほっと一息つける希望のモデルとして注目を集めている。

コメント

  1. 子どもがいる身として、町ぐるみでこういう温かい取り組みがあるのは本当に素敵です。小学生のリクエストがちゃんと叶っているのがほっこり。うちの町も真似したいなぁ。

  2. こういう“みんなで使い道を決めるサブスク”って、学生のサークルでも絶対盛り上がりそうですね!1人じゃできないことも、みんなで楽しめるのがいい。参加してみたくなりました!

  3. わしらの若い頃は、皆でお金出し合って映画やカラオケを楽しんだもんじゃが、今どきの『サブスク』も温かい使い方があるんじゃなぁ。懐かしく、嬉しい気持ちになりました。

  4. サブスク疲れ、よくわかります。でもこのニュース読んで、『分かち合う楽しさ』に気づかされました。毎月小さな幸せをみんなで見つけるって、ものすごく贅沢なことですね。

  5. 自転車クラブのみなさん楽しそうで羨ましいです!レンタル自転車でお花見とか、みんなでコーヒー会とか、町が明るくなるアイデアですね。私も今度見学に行ってみようかな。