北国の小さな町、風見町で最近、町の経済に明るい兆しが見え始めた。そのきっかけは意外なところ──町内のおばあちゃんたちが編成した“自転車配送団”による「おすそわけ商店」の誕生だった。
この春、斎藤ヨネさん(78)が自宅の余った漬物と手作りマフラーを近所に分けたことから物語は始まった。その光景に感銘を受けた友人や近所の主婦たちが「せっかくなら町じゅうで『おすそわけ』を広げよう」と立ち上がり、10人、20人と自転車に乗ったおばあちゃんたちが集まるようになった。「ショップに行くより、おばあちゃんと話す方がうれしい」と子育て世代の尾形理沙さん(32)は語る。
やがて“おすそわけ商店”と名付けられたこの活動は町公認となり、余った野菜や手仕事品、時には手紙やサプライズプレゼントまで自転車で運ぶコミュニティ経済の要へと成長。おばあちゃんたちの明るい挨拶が町中に響き渡り、笑顔と温かさがあふれはじめた。これに刺激され、地元小学生や企業までが協力し始め、出品や配送サポート、高齢者向けの自転車教室も開かれるように。
不思議なことに、この自転車団の活動が本格化してから町内の耐久財消費が増え、名目GDP指標にもわずかながら好影響が見られるようになった。失業率も下がり「中央銀行の分析官も興味津々」と町長の村上一成さん(54)は目を細める。低金利時代の新たな消費刺激策として全国紙でも話題となった。
SNSには「うちのおばあちゃんが来てくれる日のために部屋を片付けるようになった」「自転車の鈴の音がしたら、子供たちが外に飛び出す」など、ほっこりするエピソードが続出中。経済指標の好転よりも、町じゅうに広がるぬくもりが一番の財産かもしれない。“おばあちゃんの力”が生んだこの不思議な景気循環は、さらにじわじわ全国へと広がる気配だ。
コメント
子育て中の私には本当にありがたい活動です!自転車で届けてくれるおばあちゃんたちの優しさに、子どもも私も元気をもらっています。毎回お話しするのが楽しみです。こんな町に住めてよかったなぁ。
昔はご近所さんで何かと助け合っていたもんですが、最近は珍しくなりましたねえ。この活動でまたあったかいつながりができて、わしら高齢者も生きがいが増えました。久しぶりに町が明るくなってうれしいです。
めっちゃいい話じゃん!正直、経済効果よりも町のみんなが笑顔になったところが最高だと思う。自分も手伝いに行きたくなってきた。全国に広がったら日本もっと元気になりそう!
うちの近くにも“おすそわけ商店”できてほしいです。おばあちゃんのつけたお漬物、一度食べてみたいし、マフラーとかも心がこもってて素敵ですね。こういう輪が広がって、優しい町になるといいな。
ほっこりした!まさにハッピーなニュース!自転車団の皆さんの元気と、町の力が重なって小さな奇跡が起きてるんですね。うちの祖母も参加したがってます(笑)。これからも応援しています!