まだ読み書きもおぼつかない6歳のソノダ・ミライさんが描いた、小さな子犬のカラフルな絵が、思いもよらぬかたちで世界中を旅している。きっかけは、一枚の“ふしぎなNFT”アート。デジタルの海に流された子犬たちは、国や世代を越えてたくさんの心に温かな火を灯している。
北海道の田舎町で暮らすミライさんは、いつも近所の柴犬・マグをモデルに、明るい色でその姿を描くのが好きだった。家族がふとそのイラストをスマートフォンで撮影し、デジタルで彩色したものを“ミライの夢”と名付けて、クリエイターが集まるオープンシーにこっそり出品したところ、たちまち1ETH(イーサ)で落札された。落札者はフランスのアーティスト、セリーヌ・ユゲットさん(28)。彼女はNFTの所有権を手にしながらも「この子犬が世界中の子どもたちに届いてほしい」と、続きをみんなで創るプロジェクト「Koinu Chain」を立ち上げた。
“Koinu Chain”は、NFTの所有者とアーティストが参加できるリレープロジェクト。各国のアーティストや小さな子どもたちが、自分なりの“ちいさなコイヌ”のデジタルアートを更に重ねて一緒に作り上げていく。参加費は必要なし。できあがった作品は新しいNFTとして生成され、収益の一部がユネスコを通じて難民キャンプの子ども支援に寄付された。リレー形式のため、「マグ」の輪郭だけがつながっていくような独特のユーティリティが生まれ、今では地球20カ国・300人以上の手で色づけられている。
SNSでは、パリやナイロビ、リマ、シドニーの子どもたちが嬉しそうに自作のコイヌをシェア。「みらいちゃんと同じ夢を描いたよ」とコメントが寄せられている。一方で、難民キャンプの子どもたちにもこの活動は広がり、「小さな幸せが本当に届いた」とスタッフは目を細める。ミライさん本人は「もっといろんな色の子犬が世界で遊んでくれたらいいな」と、はにかみながら語った。
NFTやクリプトアートが話題となるなか、複雑な理屈や価格競争を超えて、1枚の子犬の絵から始まったこの“輪”は、まるでどこまでも広がる虹のよう。「デジタルだからこそ、みんなで一緒に作れる奇跡もある」。そんな新しい時代の絆を、今日もミライさんのコイヌは静かに見守っている。
コメント
6歳のみらいちゃんの描いた子犬が世界中のみんなに繋がっていくなんて、本当に素敵ですね!同じく小さな子どもを育てる母として、子どもの純粋な創造力がこんなに大きな輪になるのを見て、ただただ感動しています。マグちゃんもきっと嬉しいだろうなあ。
デジタルはよく分からんが、昔孫と一緒に絵を描いた思い出が蘇ってきたよ。子どもたちの描くコイヌが、遠い国の子どもを笑顔にしていると想像するだけで、なんだか心があったかくなりますな。
NFTとか難しそうで距離を感じてたけど、こんな風にアートと支援がつながるのを知って、ちょっとワクワクしました!僕も学校で「Koinu Chain」みたいな企画があったら、ぜひ参加してみたいです!
みらいちゃんのお家のマグちゃん、すごく人気者になったのねぇ!あんなに素直な絵が世界中で輪になって広がっていくなんて、田舎町の私たちにも大きな誇りです。応援しているよ~!
こういう明るいニュース、毎日見たい!NFTとか投資モノってギスギスした話も多いけど、“小さなコイヌの夢”がみんなの優しさを引き出すなんて最高じゃん。私も次のお休みにコイヌ描いてみようかな♪