近頃、関東地方の小さな町・樹海町で夜空に浮かぶ謎の“くもの図書館”が登場し、まちの話題を集めている。梅雨の続く霧雨の夜、図書館から舞い降りるのは、きらめく虹色の本と、気分に合わせて変化する不思議な天気予報。地元のこどもからシニアまで、雲と本がもたらす心温まる交流が生まれている。
今年6月、梅雨前線の影響でしっとりとした霧雨の続いた夜8時過ぎ、学校帰りの児童・藤瀬みお（10）が空を見上げると、町の上空にふわふわと浮かぶ巨大な雲のかたまり。その雲、よく見るとガラスのドームに包まれた図書館のかたちに輝いていた。驚いたみおが家族や近所の人々に知らせると、町中で次々と“くもの図書館”が目撃されるようになった。
雲の図書館からは毎夜、そっと虹色のページをきらめかせる本が一冊ずつ舞い降りてくる。ページを開くと、読む人ごとに内容が変化し、読む人の今いちばんほしい元気や優しさをそっと届けてくれるという。たとえば、一人暮らしで寂しかった主婦・高藤一葉（39）は「優しい霧の散歩道」と題する物語で、昔の友人たちと再会する夢見心地の一夜を体験。「本当に心がふんわり温かく、翌日は近所の方に自分から挨拶できたんです」と微笑む。
地域の天気予報士・多村絢人（48）は、図書館の雲がうかぶ夜は“まちの空気に優しさ指数”が急上昇するというデータを公表。「本を拾った方がSNSで感謝や朗読の配信を始めたり、集まって一緒に読む雰囲気ができたりと、天気以上に”心の晴れ模様”が広がります」と語る。また、ゲリラ豪雨の予報日には、図書館から降りてきた本が町の庭先にカラフルな傘となって住民たちをそっと守ったというエピソードも登場した。
現在、雲の図書館の正式な開館時間や、図書カードの取得方法は不明だが、町の子ども記者団が空撮ドローンで毎夜観察を続けている。SNSには「今夜も虹色の本に会えたら」という投稿や、読後に友達と交わした”ありがとうの雲手紙”の写真が溢れている。樹海町の人々は「不思議だけど、毎晩わくわく。もっと天気の変化と仲良くなれる気がする」と口をそろえる。雲の図書館がもたらす小さな奇跡は、静かな町で優しく重なり合っている。
コメント
小学3年生の娘と一緒に記事を読んで、とても夢があるなあと心が弾みました！もし本当に“くもの図書館”があったら、親子で夜空を見上げて探したいです。こんな優しさが日常にあふれていたら、子どもたちももっと笑顔になる気がします。
昔は物語をラジオで聞いてワクワクしたけど、雲から本が降りてくるなんて、本当に素敵な世界だねえ。人生の終盤に、またこんな心豊かなニュースをもらえて、ありがとう。虹の本、孫と一緒に読んでみたいなぁ。
正直、最初は『またネットの噂かな？』って思ったけど、読んでて不思議と心が落ち着いた。嫌なことがあった日でも、虹色の本が降ってくる町だったらいいな。自分も人にやさしい一言を届けてみたくなりました。
樹海町に住んでいます！最近、町の人たちが夜になると空を見上げて話してる様子をよく見かけます。本当に、みんなの表情がやわらかくなっている気がして、うれしいです。こういうほっこりする出来事が町の宝ですね。
子どもって本当に想像力が豊かだから、こんなニュースを読むと保育園でも話題になりそう！『先生の上にも本が降ってくる？』なんて言い出しそうで、想像だけで楽しくなってしまいます。ありがとう、樹海町の楽しいお話！