国際会議場に、今年はいつもと違う香りが漂っている。議場の中央にある長テーブルには、色とりどりの弁当箱がずらり。大臣や外交官たちの前には、おにぎり、パン、チーズ、蒸し野菜、そして国旗をかたどったかわいらしいピックやカード。今週開かれた“子ども弁当サミット”は、各国の子どもたちが手作りした“平和べんとう”でテーブルを囲む、一風変わった安全保障戦略の発信となった。
企画したのは、国際法を研究する大学院生・本田ここね(26)。彼女は昨年、小さな町の防災訓練を視察した帰り道、町内の小学生たちが「災害時には弁当を分けるのが一番強い同盟」と盛り上がっているのを耳にした。それがヒントとなり、「子どもたちが作る優しい連携が、国際社会の本当の安心に通じるかもしれない」と感じて、各国の大使館や教育機関に手紙を書き始めた。
半年後、なんと20ヵ国が『平和べんとう・プロジェクト』に加盟。参加国ごとに子どもたちが自国の食材を生かしたお弁当を創作し、そのレシピ・調理風景をオンラインで交換する試みも生まれた。安全保障政策としての同盟強化やサプライチェーンの意識も自然に身につくよう、弁当箱にはそれぞれの産地や、食材がどうやって運ばれたかを記す“フードトラベルカード”が同封されている。
プロジェクトのなかでは、食材管理のためにセキュリティクリアランスならぬ“おすそわけクリアランス”が子どもたちに付与される。たとえば、パンを焼いたリカルド・フローレス君(9、スペイン)は「自分のパンがイタリアの友達のトマトと一緒の弁当に入った時、本当に世界が近くなった」とはにかむ。SNSでは『#平和べんとう交換会』が大きな話題となり、「世界の友達が、お昼ごはんで安心できる日がくるなんて!」「弁当から始まる平和なんて最高」のコメントが数多く寄せられている。
専門家の間では、こうした草の根交流が“非公式な相互理解の土壌”を育てるとの評価も高い。安全保障政策アドバイザーの白石雅紀(44)は「時に硬直しがちな外交現場に、子どもの自由な発想は潤滑油になる。平和べんとうは新しい『共感の外交言語』では」と語る。実際に今回のサミットでは、弁当を食べ終えた大臣たちがそれぞれの食材カードを交換し合い、笑顔で記念撮影をしていた。ひとつひとつの小箱には、国や世代を超える温かな信頼が詰まっているようだ。
コメント
子育てしていると、こういうアイディアは本当に希望が持てます。うちの子にも世界中の友達とお弁当作りしてみてほしいなぁ。ご飯で繋がる平和、素敵です!
まったく最近の若い人はすごいなあ。昔は弁当と言やぁ、遠足の楽しみだったのに、今や世界平和のツールになるとは…ほっこりしました。歳とってもまだまだ驚きがありますな。
本田さんの行動力に感動!難しい話じゃなくて、子どもたちの優しさが中心なのがいいですね。食べ物で国境を越えるって最高♡卒論のテーマにしたいです!
このニュース読んだだけで元気もらいました!うちの町内会でも子どもたちの弁当大会やってみたくなりました。たまには大人同士もおすそわけクリアランス必要ですね(笑)
弁当作って交流するだけで安全保障とか、最初は夢物語かと思ったけど…自分もみんなと飯食ってるとケンカなんてどうでもよくなるし、案外マジで効果あるのかもって思えてきた。