眠らない街の片隅、古びた商店街の屋上がつい最近、ひっそりとしたフットゴルフコースに変身しました。ところが、このグリーンで繰り広げられるのは、昼間のアクティブな大会ではなく、こっそりと集う女子だけの「深夜フットゴルフ女子会」。意外な連帯感と、キックに宿る小さな奇跡が、じわじわと地域の人々に温かな輪を広げています。
屋上のコースを考案したのは、スポーツ愛好家の斉藤さくら(28)。退勤後の商店街で、“昼も夜も足を止めず楽しめる場を作ろう”と、友人の内藤ひより(30)や近隣の主婦や学生たちと手作りで芝を敷き、不要になった服屋のマネキンや古い看板を障害物に再利用。コースの完成以降、週に2、3回、夜な夜なフットゴルフボールの柔らかな音が屋上に響くようになりました。
この女子会のルールはとても自由。パジャマ姿でOK、仕事や家事で落ち込んだ日も思い切りキックすることがスッキリの秘訣、とさくらさんは笑います。足元のボールに願いごとを書いて蹴る“願いキック”が静かなブームになり、願い札集めが始まると毎回話題に。こんな風にして、初対面の人も自然と笑顔で「今夜も、願い込めていいキック!」と声をかけ合うのだとか。
さらに最近では、商店街の夜警ボランティア・松下慎一(64)が「君たちのキック音が聞こえると安心するよ」と屋上に顔を出し、フットゴルフ女子たちのピンチヒッターとして参戦するように。みんなが自然と拍手し合い、時には松下さんの豪快なキックに満月が照らされる場面も。メンバーの一人、大学生の高尾りりこ(20)は「この街でこんな楽しい秘密ができるなんて、予想もしてなかった」と語ります。
SNSでは参加者たちが夜空の下で並ぶ靴やボールの写真を投稿し、「仕事帰りに元気と仲間をもらえる」「グリーンの上では心も軽くなる」とポジティブな声が噴出。偶然その場に迷い込んだ野良猫“ムーン”も今やチームの公式マスコットです。小さな屋上が灯す、穏やかで幸せなキックの連鎖。明日もちょっとだけ、街の人の足どりが軽くなりそうです。
コメント
こんな楽しそうな女子会、私も子どもたちが寝た後に参加してみたいです!パジャマでOKなのが最高。こうやって地域のみなさんで夜も安心して集まれる場所ができるのは、すごく嬉しいです。
昔は商店街も活気があったけれど、こんな形で新しい明かりが灯るのはなんだか感激しますね。若い人たちのアイデアに、年配の私たちも元気をもらっています。今度こっそり応援に行きますよ。
深夜にみんなでフットゴルフって、めっちゃエモいし憧れます!願いごと書いて蹴るの絶対やってみたい。私の街にもこんな場所あったらいいのにな~(泣)
商店街の上から聞こえる笑い声やボールの音、最近ほんとに元気もらってます。ムーンちゃんにはうちの野菜もぜひどうぞ(笑)。みんなでこれからも応援してます!
とても心温まる記事でした。仕事帰りにふと屋上を見上げてみようかなって気持ちになりました。こういう小さな幸せが街全体を優しく包んでくれる気がします。