走る「サウナ特急」に笑顔の輪 乗客たちの“偶然みちづれ旅”が話題に

サウナ付きの列車内で乗客たちがテーブルを囲み談笑し、窓辺で足湯を楽しんでいる様子。
“ほっこりライナー”の車内では偶然の出会いが心温まる旅のひとときをつくる。

「目的地はなくても、仲間がいれば特別な旅になる」——そんな言葉を現実にした乗り物が今、多くの旅人の心を掴んでいる。走るサウナ付きのリモートワーク列車“ほっこりライナー”が、偶然同じ日に乗り合わせた乗客たちによる思いがけない出会いや小さな奇跡の連鎖で、新しい旅の形を生み出しているのだ。

話題の“ほっこりライナー”は、山間と温泉地を結ぶ長距離列車。各車両には薪ストーブ式サウナと窓辺の足湯、そして大型テーブル席が備え付けられ、乗客は自由にリモートワークや読書、談笑を楽しめる。出発駅を降りると、地域ならではのご当地御朱印がもらえたり、沿線の観光地にもふらりと立ち寄れる仕掛けも人気だ。今年の春、旅好き会社員の三浦由佳(31)はこの列車で忘れがたい出会いを経験したという。

「サウナでさっぱりした後、となりの席にいた初対面のご夫婦と話が弾んで。みんなでリモート会議に参加したり、沿線の温泉町で下車して地元の方に案内してもらったり。偶然が運命みたいになって。」三浦さんだけでなく、SNS上には“ほっこりライナー乗車レポ”が相次ぎ投稿されている。「車窓から虹が見えて、みんなで記念撮影」「サウナで意気投合した起業家とそのまま新事業スタート」など、予想外の出来事を喜ぶ声が絶えない。

列車運営会社のコミュニティコーディネーター、平野聡(42)は「旅仲間も目的も日替わりなので、毎日がリセット。出会いを無理に演出せず、設備や列車の雰囲気が自然に人の輪を広げてくれています」と話す。さりげなく置かれた旅ノートには乗ってきた人同士のお手紙やおすすめ温泉マップ、時には短歌まで貼られ、各地の観光協会も巻き込みながら小さな交流が広がっている。

最近は、こどもたちの御朱印クイズツアーや、日曜日だけ営業の地元食堂と車内中継をつないだご当地グルメライブ配信もスタート。“ほっこりライナー”は、移動そのものが旅の目的となり、知らない誰かとの出会いや駅ごとに続く“ゆるい縁”が、乗る人の心に小さな灯りをともしている。SNSには「降りたくなくなった」「また会いたい人ができた」などの声も。列車は今日も、人と人とを坂道の先で静かに結び続けている。

コメント

  1. 小学生の娘と一緒に読んで、ほっこりしました。子どもたちの御朱印クイズツアーなんて素敵ですね!普段は移動が単なる手段になりがちだけど、こんな列車なら家族の思い出が増えそう。いつか親子で乗ってみたいです。

  2. 最近は人と話す機会が減って寂しく思っていましたが、このニュースを見て昔の汽車旅を思い出しました。たまたま隣になった人と世間話をしていた頃の温かい雰囲気が蘇ります。ぜひ乗ってみたい。

  3. リモートワークもできてサウナまであるとか最高じゃん!SNSレポとか見てたけど、同じ日に偶然出会った人と仲良くなるって、今一番求めてる体験かも。友達と一緒に乗る予定立ててみます!

  4. うちの町にも“ほっこりライナー”が来てくれたら、たくさんの旅人と出会えそうでワクワクします。地元食堂とコラボもできるなら、ぜひ一度参加してみたいなあ。地域が明るくなる企画、応援しています!

  5. 目的地も決めず、偶然にまかせた旅…なんだかジブリ映画の世界みたいで憧れます!普段は人見知りだけど、こんな列車のゆったりした雰囲気なら知らない人とも自然に話せそう。降りたくなくなっちゃうの、すごくわかります。