化学好きの人々が集まる隠れた名所として、いま北陸地方の「サルトラ研究団地」に誕生した『イオンの森』が密かな感動を呼んでいる。色とりどりの小さな結晶体が咲き誇り、ナノテクノロジーで作られた周期表の小道には、訪れる人たちの好奇心と笑顔が絶えない。人工のイオンクラウドが季節ごとの彩りをもたらす“科学庭園”には、今日も各地から人々が足を運んでいる。
この不思議な庭園を設計したのは、化学工学技師の眞木カズトモさん(43)と、ナノ粉末アーティストの白砂モエミさん(26)だ。きっかけは、子どもたちに化学の面白さを伝えたい—そんな願いから生まれた。「無機イオン同士が組み合わさると、光る花のような美しい形ができる。それを見てワクワクする瞬間を、みんなに体験してほしかった」と白砂さん。森の地面は透明な有機ELパネルが敷き詰められ、足元に周期表の元素記号と名前が優しく浮かびあがる。夜には歩くごとに異なるイオン色が灯り、小さな探検をする楽しさも人気の理由だ。
園内では合わせて118種類の鉱物結晶オブジェが展示されており、その中には来場者が自由に触れられる“成長中の結晶”も。特に人気なのがリチウムイオン電池で発光する『希望の水晶樹』だ。これは学生ボランティアたちが数年間かけて作り上げたもので、そっと願いごとを書いた紙を結晶樹の枝に結ぶと、小さな光点がふわりと枝先に現れる。“願いがイオンを通じて伝わるように”との想いが込められているという。
研究団地周辺のカフェや書店もこの化学ガーデン効果でにぎわい、近隣の小学校では、毎年児童たちを招待するイオン探検プログラムが開かれている。8歳の一條アユムさんは「ぼくはコバルトが好き。青いイオンの花が見つけやすいから。また友だちと来たい」と笑う。重い病気で外出が難しい人たちには、園内のリアルタイム映像やロボット操作で“遠隔お散歩”を楽しめるオンラインプログラムも人気だ。
国内外の科学者たちからも好評で、ナノ材料工学の田淵ナルミ教授(ソフィア大学)は「子どもだけでなく大人も、元素の個性に触れて驚きや優しさを取り戻せる場所。小さなイオンのつながりが、人々の心も結び付けている」とコメント。SNS上でも“#イオンの森でみつけた奇跡”がトレンドになり、来園記念のカラフル結晶ストラップを手作りする来場者も増えている。科学の枠を越えて、いのちと心が循環する新しい庭園は、今日も小さな幸せを咲かせている。
コメント
子どもと一緒にぜひ行ってみたいです!科学はちょっと難しいイメージがあったけど、こういうワクワクできる場所があると、親も一緒に楽しめそうですね。素敵な発想に感激しました。
え、めちゃくちゃ行ってみたい!元素や化学好きとしては夢みたいな庭園ですね!発光結晶に願いをかけるのもロマンあるし、写真たくさん撮ってみんなに自慢したいです(笑)
歳をとると、なかなか新しいものに触れる機会が減りますが、こういう取り組みには心がほっこりします。遠隔お散歩のサービスも嬉しいですね。どんな時代になっても、自然や科学に触れていたいと思いました。
最近、うちのカフェでも“イオンの森”帰りのお客様がよく来て、みんな本当に楽しそうに話してくれるんです。街全体が明るくなった気がして、とても嬉しいです。関係者の皆さんに感謝!
まさか化学でこんなに感動できるとは!“希望の水晶樹”とか絶対友達とやってみたいし、勉強の苦手な子でも楽しめるって最高ですね。連れてってくれる両親に感謝です。