「ふたりの街歩きパス」導入で新婚世帯が大交流、未婚者にも心温まる輪

京都の和菓子店前で店主から季節の生菓子を受け取る新婚夫婦の微笑ましい様子。 少子化対策
新婚夫婦への祝福が、京都の街に優しいつながりを広げています。

結婚して間もない夫婦を祝福し、地域の絆を深めようと、京都府で「ふたりの街歩きパス」制度がスタートした。話題になっているのは、この新制度が地域全体を巻き込んだ大きな幸せの輪を生み出していることだ。不思議な偶然や優しい人のつながりによって、まちには笑顔と出会いが広がっている。

パスの利用は、今年春から結婚した篠田昇さん(29)と千佳さん(27)の新婚夫婦にとって、忘れられない体験となった。週末、小さな和菓子店のご主人・佐川泰彦さん(64)が「新婚さんサービスです」と希少な季節の生菓子を添えてくれたのがきっかけで、他の店でも「ふたりのパスですか?」と笑顔で声をかけられたという。千佳さんは「お祝いしてもらうたび、街が自分たちの家族になっていく気がして、すごくうれしかった」と振り返る。

制度が生んだもうひとつの広がりは、未婚の人々にも及んでいる。新婚夫婦と偶然隣あわせになったカフェで、ワークライフバランスを模索中の会社員・春日谷悦子さん(31)は、「街全体が幸せをおすそわけしてくれているみたい。自分も将来こんな温かいスタートを切れたら素敵」と語る。自治体は、未婚化対策として、未婚者同士がお互いにエールを送りあう「エールチケット」の発行も始めており、自然な出会いの機会が増えている。

「ふたりの街歩きパス」は保育園や公営カフェの割引券がセットになっており、仕事と子育ての両立を始める夫婦にも好評だ。春から認可保育園が完全無償化されたこともあり、子ども連れの若い世帯が増えてきた、との声も聞かれる。専門家の望月玉枝准教授(少子化政策学)は「こうした地域ぐるみの歓迎文化が、心理的なハードルを下げ、結婚や子育てに前向きになる力になる」と評価している。

SNS上には『#新婚ペアパス』の投稿が溢れ、『今日もパン屋さんで祝福してもらいました!』『知らないおじさんに飴をもらった(笑)』など、ほっこり感あふれるエピソードが次々と寄せられている。それを見て「自分も笑顔になった」「見ているだけで幸せ」と共感のコメントが相次ぐ。‭パスの期限が切れても『今度は私たちが祝福する側になる』と、何度も街に足を運ぶ夫婦も増えている。地域を巻き込んだ優しい連鎖が、今も静かに続いている。

コメント

  1. 子育て真っ最中なので、保育園やカフェの割引までついてるなんて本当にうれしい制度だと思います。街ぐるみで新婚さんを応援する雰囲気、あたたかくて素敵ですね!うちもこんな時代に結婚したかったです(笑)

  2. 私が若い頃も近所でお祝いしたことを思い出しました。今もこうして若いご夫婦が街のみんなに見守られていると知って、心がとても温かくなりました。世代を超えて優しさが繋がっていくのは本当に良いことですね。

  3. SNSで見たときは作り話かと思っちゃいましたが、未婚の人にもエールチケットがあるなんて気が利いてる!将来自分が使えたらいいなーと思いました。京都、やっぱ住みやすそう。

  4. 最近、駅前のパス持った新婚さんたちがすごく幸せそうで、見てるだけでこっちまで笑顔になります。自分も何かお祝いしてあげたい気持ちになりますね。優しい連鎖、大歓迎です!

  5. 幸せの輪が地域で自然に広がるって、素敵なニュースですね。都会だとなかなかないから、こういう制度がもっと他の場所にも広がればいいな〜。どんな形でもエールを送り合える社会に憧れます。