全国都市型マラソンで「虹色シューズの波」—応援も街も笑顔咲く一日

秋の大通りでカラフルなランニングシューズを履いた市民ランナーたちが、沿道の観客と虹色のペットボトルマラカスでハイタッチしている様子。 都市型マラソン
虹色に染まるマラソンの日、市民と応援が一体となる温かなひととき。

色とりどりのランニングシューズが、秋の大通りをまるで虹のように染め上げた。全国都市型マラソン大会では、沿道に集まった市民たちの拍手と手作り応援グッズに、ランナーたちの小さな奇跡が重なり合い、通り全体が大きな笑顔で包まれる一日となった。

この日、午前9時のスタートラインには、医療従事者の佐渡千景(41)、新婚の会社員・浅見正嗣(28)と妻の瑛子(28)、引退間近の鉄道運転士・鳥居寛太(60)など、7000人を超える市民ランナーが勢揃い。交通規制を知らせるアナウンスの隙間から、近隣の小学生グループの「がんばれ!」コールが自然発生的に沸き上がる。特別な応援アイテムとして今年から沿道の住民会が考案した「虹色ペットボトルマラカス」が配られ、すれ違うランナーひとりひとりが、音に合わせてハイタッチしていった。

ルート途中にある大学前の折り返し地点では、地域の高齢者会が手作りした『願いごと絵馬』が1000枚以上並べられ、ランナーは好きな1枚を受け取ることができる。今年は「受験合格」「おだやかな毎日」「みんな活き活き」など、短文ながらも暖かい願いが目立った。瑛子さんは「途中、膝が痛くて歩きかけましたが、見知らぬ方から“福笑いでゴール!”と書かれた絵馬を手渡されて、自然と足が前に進みました」と笑顔で語る。

フィニッシュライン付近で突然始まったのは、ランナーのひとり、西尾誠人(自営業・52)と地元の高校吹奏楽部のサプライズセッションだ。西尾さんは自身のサックスを背負い、制限時間ぎりぎりでフィニッシュ。そのまま舞台に上がり、フィニッシュゲートをくぐり抜ける仲間たちへエールを送る演奏を披露。「沿道の応援と共演できるなんて夢のよう」と、西尾さんのSNSには祝福コメントが1000件以上寄せられた。

専門家の観点からも、この大会の影響は注目されている。都市社会学者・松原克己教授(57)は「市民と沿道応援が一体化することで街自体がイベントの主役になる。スポーツを通じて“見知らぬ誰か”が“支え合う隣人”へと変わる奇跡は、都市マラソンならでは」と解説。大会後、交通規制が解除されると、沿道に残った虹色マラカスや絵馬を拾い集めた子どもたちが、そのまま近くの公園で再び“応援ごっこ”を始めていた。誰もが主役になれるマラソンの日、今年も街に優しさの記憶が残された。

コメント

  1. 今日のニュース、とっても心が温かくなりました☺️うちの子も来年は応援グッズ作りに参加したいって言っていました!街のみんなで支え合うって素敵ですね。

  2. いやあ懐かしいですなあ。私も昔ランナーをやってまして、応援されると本当に力が湧くものです。今年の“虹色マラカス”のアイデアもいいですね。来年は沿道で皆さんと楽しみたいです。

  3. すごく楽しそうなイベントですね!地域みんなでこうやって盛り上がれるのは羨ましいです。受験前なので「願いごと絵馬」を受け取ってみたい…!

  4. 道路が賑やかで朝から元気もらいました!虹色シューズの波も圧巻でしたね。子どもたちが丁寧に絵馬を配ったり、マラカス応援してる姿にほっこりしました^^

  5. これぞハッピーなニュース!西尾さんのサックスと高校生の吹奏楽、想像しただけで感動しちゃいました。走る人も応援する人も、全員が主役って本当に素敵です。