都会の小道に、カラフルな奇跡が生まれている。アーバンスポーツ好きな若者たちと、地域の画家、商店街のお年寄りたちが手を取り合い、街の壁や歩道、公園が優しさでつながれはじめているのだ。スケートボードやシティサイクル、ウェアラブルカメラといった新旧の文化が、心温まる“都市の輪”を広げている。
今月初旬、新宿区内の通称「きせき横丁」に、不思議な壁画アートが次々と登場した。描かれているのは、笑顔の猫や、手をつなぐ人々、空に向かってジャンプするスケーターなど彩り豊かな風景。その中心には、「輪を描く街」という文字とともに、スケートボードグループ『フォーリングスターズ』のメンバー・稲葉和真(23)が、地元の画家・棚橋ムツミ(58)と、70代の自転車愛好グループ『青空ペダル会』と一緒にモチーフを考案したことが大きな話題となった。
棚橋さんの絵に、稲葉さんのスケートボードが描く軌道が組み合わさり、その近くを『青空ペダル会』のメンバーがマイ自転車でパレードする――そんなポジティブな風景がウェアラブルカメラで記録され、SNS上にも『#きせき横丁リンク』として急拡散。小学生や外国人観光客が即興の参加型イベントに集まりはじめ、壁画の前で、思い思いのポーズやトリックが生まれている。
商店街の老舗和菓子店・店主の坂上義明(76)は、「きせき横丁が、子どもも高齢者もみんな笑顔になる場になったよ」と目を細める。稲葉さんは「スケボーって、時には迷惑がられることもあるけど、こうやって地域の人たちが応援してくれて、気持ちが変わった」と語る。青空ペダル会のメンバー・山崎美知子(73)も、「壁画を見ながらみんなでサイクリングするのが、最近の何よりの楽しみ」と感嘆する。
近隣の保育園では、壁画をデザインしたお絵かき会がはじまり、子どもたちが『自分だけの自転車』や『ご近所のヒーロー猫』を自由に描いた。ウェアラブルカメラには、思いもよらない笑顔や友情の瞬間が次々記録され、“都市の幸せアーカイブ”も町内サイトで公開されることが決まった。X(旧Twitter)上には「見知らぬ人同士が優しさでつながる街、羨ましい」「きせき横丁の輪、全国に広がってほしい!」などの声が寄せられる。
都市の片隅に生まれた輪が、やさしさを広める。スケボーの軌道も、自転車のペダルも、壁画アートも、みんなの心のホームベース。このまちの“奇跡”は、今日もゆっくりと大きく描かれている。



コメント
小学生の娘ときせき横丁を散歩してきました!壁画の前で一緒に写真を撮ったり、子どもが自分の自転車をデザインして嬉しそうにしていて、親としてもとてもあたたかい気持ちになりました。こんな素敵な取り組み、もっと広がってほしいです。
俺、学生だけどスケボーって正直ちょっと肩身狭いイメージあった。この記事読んで地元の人たちと一緒に楽しめる場所ができたって超うれしい!いつか#きせき横丁でトリック決めてみたいな。みんなと繋がれるアート最高。
私は青空ペダル会と同じ年代ですが、壁画の話題でご近所の会話も弾むようになりました。孫と一緒にサイクリングしながら壁画を眺める時間が、最近の楽しみになっています。新しいことに挑戦し続ける街って素敵ですね。
自分はこの近くに住んでますが、前は通り過ぎる場所だったきせき横丁が、カラフルな壁画で明るくなったのを見て感動しました。年齢も立場も違う人が仲良くなれる場所って、やっぱり大事だなと思います。応援してます!
I’m an exchange student living nearby and stumbled upon the wall art event! Seeing people of all ages painting, skating, and cycling together truly touched my heart. This kind of warm, inclusive community is something every city needs. Thank you, Kisekiyokocho!