国際宇宙ステーションが描いた“光のアーケード” 星空をつなぐ奇跡の夜にスマホ片手の大合唱

多くの人々が夜の公園でスマートフォンを掲げ、星空と光のアーケードを見上げている様子の写真。 ナイトスカイ(星空観察)
ISSと流星群が“光のアーケード”を描いた奇跡の夜、多くの人々がスマホを掲げ感動を分かち合った。

先週末、日本各地の夜空が一瞬にして大きな感動で包まれた。国際宇宙ステーション(ISS)が、偶然にも流れ星の群れと重なる軌道を通過し、“光のアーケード”とも呼ばれる幻想的な現象を生み出したのだ。この出来事は瞬く間にSNSを席巻し、全国の星空ファンのみならず、いつもは星に興味のなかった人々までもがスマートフォンを手に空を見上げる、大きな一夜となった。

物語の始まりは青森県の朝霧町に住む大学生、与田風吹(よだ・ふぶき、20)のひとつの投稿からだった。「今夜、ISSの軌跡がしし座流星群にぶつかるタイミングで通過するらしいです!みんなでスマホの星座撮影モードで見てみませんか?」夜9時過ぎ、与田さんが何気なくアップした計算付きの呼びかけツイートに、全国の町や村から「やってみます!」「こっちも見えそう!」と即座に反応が集まった。

迎えた夜、ISSが西の地平線から姿を現すと、しし座流星群の細かな流星も次々に閃光を描く。まるで星座をなぞるように、ISSの明るい軌跡と無数の流星が同時に夜空を彩り、“光のアーケード”となって一帯を照らし始めた。この光景に、広場や公園、民家の軒先で集まった人びとからは「きれい!」「まるでプレゼントみたい」と感嘆の声があがり、各地からスマホを掲げる人波がひろがっていった。

注目を集めたのは、専用アプリ「ナイトショットリンク」の“みんなで同時撮影”機能。あるユーザーが撮影をスタートすると、連携する全国数万台のスマホカメラが一斉にシャッターを切る仕組みだ。夜空の下、号令とともに「せーの!」のかけ声が各地にこだました。出来上がった千差万別の星空写真は、アプリの特設サイトで一つの巨大なパノラマ画像として自動合成され、「私たちの日常が星座みたいにつながっている」と話題を呼んだ。

専門家で、長野星空協会の田所遙一(たどころ・よういち、天文学者)は「ISSの通過と流星がこのタイミングで重なったのは、天体現象の一期一会。全国の人々の呼吸が星空と重なったようです」と語る。SNSでは「見知らぬ誰かと一緒に空を見上げた気持ちが不思議と暖かい」といった投稿が続いた。この夜、無数の“流れ星の願いごと”と大きなつながりが、優しく日本列島を包み込んでいた。

コメント

  1. 小学生の娘と一緒に見ました!最初はスマホの撮り方も分からず焦ったけど、近所の人もみんな集まってきて、すごく楽しいひとときになりました。こんな素敵な夜、久しぶりで心が温かくなりました。

  2. いやぁ、もう七十を過ぎてますが、流れ星なんて昔話だと思ってたので驚きました。ご近所さんと一緒に外に出て、孫にもビデオ通話で見せてあげました。時代は変わっても、みんなで空を見上げるっていいもんですね。

  3. ニュースで話題と聞いて研究室の皆で観察に挑戦!みんなで『せーの!』ってシャッター押したの久々でテンション上がりました。テクノロジーと自然現象の融合が素晴らしい。本当にこういう感動を分かち合える体験っていいなと思います。

  4. まさか家の前であんなキレイな空が見られるなんて思わなかった!SNSで友達と実況しながら、一緒に『せーの!』でシャッター押したのが良い思い出になった。毎年こんなイベントがあったらいいな〜。

  5. 偶然にも朝霧町が発信源だったなんてうれしい!町のみんなで広場に集まって星空見上げて、『つながってるね』って言い合ったのが忘れられません。与田風吹さんに感謝です。しし座流星群がもっと身近に感じられました。