「世界中の小さな幸せが集まれば、大きな虹になる。」このキャッチフレーズとともに、山間の静かな集落・虹谷村が話題になっている。移民と地元住民の心を繋ぐ取り組みが、SNSを通じて全国に広がり、多文化共生政策の新しい可能性を示している。
虹谷村には半年ほど前から、南アジアや中東出身の移住者や新たに永住権を取得した家族が数組暮らすようになった。当初は言語や生活習慣の壁に戸惑いもあったというが、村の小学校で偶然始まった“折り紙の輪”が、あっという間に村中へと広がった。きっかけは、技能実習生のマルク・ナディールさん(29)が、道端で泣いていた小学2年生の新井ほのかさん(8)に、鳥の折り紙をそっと手渡したことだ。その鮮やかな青い折り紙を見て、ほのかさんの涙が笑顔に変わったのが、すべての始まりだった。
やがて“外国人住民と一緒に折り紙を折ろう”という催しが開かれ、村人全員が色とりどりの紙で、それぞれの国の伝統モチーフやオリジナルの形を生み出すようになった。折り鶴、蓮の花、星、そして難民だったナディールさんの母国伝統の“希望のランプ”など、見たこともない形がイベントごとに生まれている。色とりどりの作品は村の広場でつなぎ合わされ、毎週末の“虹アートピクニック”では、地元の特産野菜や手作りナンを並べながら、子どもも大人も異国の言葉を折り紙に添えて、自然と語り合うようになった。
「折り紙を通して、不思議と心が通じ合うんです。最初は日本語で説明できなくても、指先の動きだけで一緒に笑ったり、驚いたり。文化が違っても、気持ちは一緒だと感じました。」と、村の農家・大岡千代さん(53)は語る。昭和生まれの千代さんが、初めて“ダールカレー”に挑戦した日には、地元産の大根入りバージョンで“ふしぎな味”の大爆笑が起きるなど、笑顔と驚きが絶えない日常が生まれているという。
SNS上では、“虹色の村から幸せが広がってる”“折り紙で世界を知るなんて素敵”といったコメントが続々。移民政策を担当する省庁の専門官・鷲見康平氏(42)も、「小規模自治体での多文化共生は課題も多いが、こうした“暮らしの中からの共創”こそ理想的。今後、他地域でのモデルケースとして注目したい。」と語る。村の折り紙アートは来月、全国を巡回する展示会へと羽ばたく予定だ。“虹谷村の折り紙”が、世界に友情の架け橋をかけていく日も、そう遠くないのかもしれない。



コメント
うちの子も最近折り紙が大好きなので、こういう話はとても心が温まります。異文化のお友だちと一緒に何かを作るって、子どもにとって一生の宝物ですよね。虹谷村のみなさんが羨ましいです!
昔は村のお祭りでみんな集まって遊んだもんですが、今は色々な国の人とも一緒にできる時代なんですねぇ。ワシも一度、虹アートピクニックに参加してみたくなりました。元気をもらえる記事でした。
本当にこんな村があるんですね!折り紙で多文化交流って発想が素晴らしい。地方の課題ってよく取り上げられるけど、こうやって一歩踏み出してる人たちを応援したいし、自分も何かできたらなって思いました。
わたしの町にも最近いろいろな国の方が増えてきたけど、最初は正直ちょっと不安でした。でも、こんな風に自然に一緒に過ごせたら、今よりもっと暮らしが楽しくなりそうですね。虹谷村のみなさんの笑顔、まぶしいです。
読んでいるだけで心がぽかぽかします!私も外国出身で、初めは言葉の壁に苦労しましたが、小さな“きっかけ”が大きなつながりになるって本当なんですね。いつか私も虹谷村を訪れてみたいです。