おうち時間を魔法に変える“リレーパーティー”広がる、家族や友達と心結ぶ新習慣

家族3人が自宅のリビングで手作りスイーツや端末を囲み、オンラインで友人と笑顔を交わす光景。 おうち時間の楽しみ方
リレーパーティーが家族や友人をつなぎ、自宅に温かな団らんの時間を生み出しています。

長く続いた自粛ムードが落ち着きを見せるなか、家の中で過ごす時間を魔法のように彩る“リレーパーティー”が各地の家庭でブームとなっている。静岡県の山間の町では、オンラインかつ手作りで楽しむこの新習慣が、大人も子どもも笑顔にしていると話題だ。

このリレーパーティー発祥のきっかけは、瑞垣楓さん(36)の何気ないひと言だったという。もともとサブスク動画を観るのが好きだった楓さんは、友人や親せきと過ごせない休日に「せめて同じ時間に、一緒に何かを楽しめたら」と考えた。始めは家族3人で、その日のテーマに沿った小さなイベントを順に担当する“おうち祭り”を計画。最初は息子・快斗くん(8)の考案で『世界のスイーツナイト』を実施。家族それぞれが好きな国の手作りスイーツを用意し、海外の動画で現地文化を知ったのが始まりだった。

その後、リレーパーティーは親しい友人たちにも広がる。独自のルールとして、まずホスト役がオンライン招待状を送付。参加者は当日までにテーマを決め、その内容に合った読書や紅茶、サウナグッズなど、それぞれ自宅で準備をする。例えば「静けさの夜」は、育児に忙しい母たちが集まり、紅茶を片手に好きな小説を交換紹介し合い、ちょっとした感想を匿名で日記アプリに投稿する形で参加。「スイーツと物語の夜」は、手作りケーキ画像と共に、おすすめ書籍やショートムービーを送り合い、声を出して笑う時間となった。

楓さんたちのリレーパーティーは、世代を越えたコミュニティにも波及している。地元の敬老会グループや近隣の大学生たちも取り入れ、手作りのデジタル新聞やおすすめのサウナグッズレビューを共有。特別な機材がなくても、スマホやノート1冊で誰もが気軽に参加できる点が人気の秘訣。最近では、オンラインだけでなく郵送でも日記やおやつを回す新たな試みが始まり、小包を受け取った高齢者が涙ぐみながら「久しぶりに誰かと心で会話できた」と語る場面も。

SNSでは『家の中なのに冒険してるみたい』『友達と同じ紅茶で乾杯するだけで不思議に心が温まる』と好評のコメントが続出。生活文化研究者の糸藤太(いとふじ・ふとし)氏(京都大学)は、「自分らしさを持ち寄りながら、ささやかなつながりを通じて暮らしが豊かになる現代らしい現象」と指摘する。これから冬本番を迎える中、リレーパーティーはおうち時間を幸せに変える新たな魔法として、ますます広がりを見せるかもしれない。

コメント

  1. うちも幼稚園児がいるので、リレーパーティーぜひやってみたいです!みんなでテーマを考えるのも楽しそうだし、子どもたちが世界の文化にふれるきっかけになりそう。素敵なアイデアを紹介してくださってありがとう。

  2. 最近、友達と会う機会が減っていましたが、リレーパーティーの記事を読んでちょっとワクワクしました。自分たちでテーマ決めたり、おすすめの本や音楽をシェアできるの面白そう。LINEグループで誘ってみようと思います!

  3. わたしのような年寄りにも簡単に参加できる工夫があるのがうれしいです。手紙や小包をやりとりするのは昔を思い出して、なんだかあたたかい気持ちになります。今度、孫に教えてみようかしら。ありがとうね。

  4. 一人暮らしだと家にいるのが寂しくなるけど、オンラインでリレーパーティーなんて最高!同じ紅茶や手作りおやつでつながれるのって、なんか想像するだけで幸せな気分になります。誰か誘ってくれないかな(笑)

  5. 私の住む町にもこういう温かいつながりが広がったらいいなと思いました。顔を合わせなくても、心を寄せられる。お互いに元気でいましょうという気持ち、大事ですね。微笑ましいニュースをありがとう!