北関東の静かな町、津榊町に突如広がり始めた“虹色の交換カード”が、世代を超えた笑顔の輪を生んでいる。人口減や物価高騰に揺れる小さなこの町で、子どもからお年寄りまでを結ぶ不思議な助け合いが静かな話題となっている。
はじまりは保育士の笠原ソノコさん(32)が、共働き家庭同士で子育てのちょっとした困りごとを交換できたら、と手作りで配った小さなカードだった。カードには虹色の模様と「できること」「してほしいこと」を書き合う欄があり、“こどもの習い事の送り迎え”“おじいちゃんの将棋の相手”など、優しさのリクエストが描かれている。始めは10枚のやりとりだったが、買い物帰りの祖父母たちや、アルバイトを探す高校生にも評判となり、やがて町中にゆっくりと浸透していった。
ある日曜の夕方、虹色カードをきっかけに出会った高校生の井森悟(17)は、近所の一人暮らしの小林知枝さん(74)と“買い物手伝い→手作りお団子交換”のミニ契約を成立。「最初はおばあちゃんと話すの緊張したけど、今は週末の楽しみ。昔の遊びも教えてもらった」と悟さんは笑う。一方、独身で在宅ワークの多い佐分利郁子さん(46)は、「独身税や年金の話題は暗くなりがち。でもこうして“ちょっと家事代行”をお願いできて、お互い世帯収入もちょっと増えるし、なにより会話がうれしい」と話す。
今では町役場の協力も加わり、虹色カードを“町のお手伝いポイントカード”として活用する仕組みもスタート。駅前のパン屋で10ポイント分の温かいクロワッサンがもらえるほか、子どもたちが勝手に始めた“お手伝い大賞”もできた。特に人気の交換リストには“子どもとお年寄りの昔話交換”や“共働き世帯のための夕飯分け合い”といった、今の時代らしい助け合いが並ぶ。SNSでは「ささやかな気持ちが連鎖して心に虹がかかった気分」「暮らしの労働力不足にも、こういう優しさでヒントが見つかりそう」と感動の声があふれている。
静岡大学の国井百合子教授(社会政策学)は「世代間格差や少子化の根底には“孤立”の不安がある。こうした小さな交換の工夫が地域に安心をもたらす可能性は大きい」と分析した。虹色のカードは今日も町のあちらこちらで行き交う。“助けてください”と“ありがとう”が混ざり合う、やさしい循環がどこまでも広がっている。



コメント
小学生の娘が最近お手伝いしたがっていたので、このカード、本当にうちの町にもあったらいいな…と思いました。地域に支えてもらえるのは安心ですね。温かい気持ちになりました。
若い人と話す機会が減ってきていたので、こういう取組みは素晴らしいと思います。お団子交換なんて、昔は近所でよくやったものです。今も続く優しさに、ほっとしました。
将棋の相手とか送り迎えのお手伝いとか、自分にもできることがありそうでワクワクしました!みんなで支え合うのっていいですね。カードもカワイイし友達とやってみたいな!
みんなが自然と助け合う町…なんだか懐かしい感じです。最近挨拶も少なくなったと思っていたけど、こういう交流が広がれば、また賑やかになりそうですね。
パン屋としてクロワッサンが話題になってうれしいです!お手伝いをしてくれる子どもたちの顔を見てると、こちらまで元気をもらえます。これからも町の笑顔のためにがんばろうと思いました。