新潟県の山間にひっそり佇む古町で、近ごろ「ひみつ御膳」を巡る心温まる出来事が町を包みました。かつてはシャッターが下り寂しげだった通りに、町の古民家カフェ『百福』が生み出したこの御膳をきっかけに、人々が再びゆるやかにつながり始めています。
発端は、古民家カフェ『百福』の店主・白鳥綾香さん(48)が、地元の旬野菜や山菜、里山で捕れたジビエをふんだんに使ったメニューをひと晩限りで振る舞う「ひみつ御膳」を企画したこと。レシピは各家庭で伝わる秘伝の味を住民から一品ずつ預かり、店主自らが味見・アレンジを重ねて完成させたものです。テーブルに並ぶと、どれが誰のレシピかは敢えて伏せられ、みんなで推理し合いながら食べるというものでした。
当日、町の民宿『里星』で催された宴には、普段は顔を合わせることの少ない若者も年配者も大勢集まりました。久しぶりの再会や初対面の人同士も交え、「これ、うちのおばあちゃんが作ってた味かもしれない」「このイノシシの煮込み、誰のレシピだろう?」など、会話と笑顔が自然に輪になっていきました。食卓を囲んだ農家の佐竹進さん(65)は「自分の畑のかぶが、こんな素敵な料理になって出てくるなんて感動した」と語っています。
宴の最中、カフェに通う高校生の松浦心(17)が、ひみつ御膳の一皿の味をきっかけに、自宅でも母と一緒に料理を始めたいと話し出しました。それに呼応するように、移住してきた若い家族や町の民宿のご主人も次回は新しいジビエ料理を持ち寄ろうと約束。SNSにも「古町の暖かさにふれられた夜だった」「ひみつ御膳で町全体が家族みたいになった」と嬉しい声が溢れています。
カフェ『百福』では、ひみつ御膳の後も料理のレシピ交換が続き、町の農産物や山菜の直売イベントも活気を取り戻しはじめました。店主の白鳥さんは「みんなの思い出や手間が詰まった料理が人を結びつけてくれた。食卓の力をあらためて感じました」とほほえみます。今後は各季節ごとに、そのとき一番おいしい地域食材で御膳を再現し続ける予定とのこと。古町の人々は、これからも“ひみつの味”で幸せなつながりを広げていくようです。



コメント
子育てで忙しい毎日ですが、こういう町ぐるみの温かいイベントがあったら絶対参加したくなります!家族でいろんな味を楽しめるのも素敵だし、何よりみんなでつながれる時間がしあわせですよね。うちの町でもぜひやってほしいです。
昔はよく集落で鍋を囲んだもんじゃ。顔も名前も知ってるけど普段は話さない人同士が、やっぱりご飯をきっかけに仲良くなるのはいいねぇ。こういう習慣、今の若いもんにも伝わってほしいのぉ。
なんか映画のワンシーンみたいで憧れます!地元に帰った時にこんなイベントがあったら、普段話せないおじいちゃんおばあちゃんとも距離縮まりそう。ひみつ御膳、SNS映えもするし最高です。
このニュース読んでほっこりしました。忙しくて近所付き合いあまりできてなかったけど、みんなでご飯を囲むってやっぱりいいですね。古町の皆さんが羨ましいです!
イベント企画した白鳥さん、素晴らしいアイディア!みんなのレシピが集まって一つの御膳になるなんて、心も体も温まりますね。家族みんなで読んで、ほっこりしてしまいました。