全国各地にサテライトオフィスが次々誕生する中、徳島県出身の会社員・恩田瑞樹さん(34)が偶然はじめた「みかんのおすそわけプロジェクト」が、多拠点生活者たちの間にささやかな幸せの連鎖をもたらしている。移住希望者や出張ワーカー同士で甘い驚きを分かち合うこの取り組みに、SNSでも温かな声が続々と寄せられている。
物語のはじまりは秋のある週末。東京と愛媛を行き来する瑞樹さんが、愛媛のサテライトオフィスで地元農家の方から“収穫直送”みかんを譲り受けたことに端を発する。瑞樹さんは、そのみかんの箱を東京のサテライト拠点へ持ち帰り、知らない同僚たちと分け合った。その小さな優しさが思いがけず話題となり、みかん箱は次の週末、大阪のオフィスへと運ばれていった。
「誰にでも優しさをお返しできる『循環箱』にしたいと思いました」と瑞樹さん。その後、みかん箱には手紙や地元の名産が少しずつ加わり、“おすそわけ便”は全国のサテライトオフィスを巡回することになった。現地で働く人々が各自の地元土産や励ましの言葉を入れ替えながら、箱は南は鹿児島、北は青森まで旅を続けているという。
SNS上には「見知らぬ人の優しさに、疲れた心が癒されました」(兵庫・遠藤育子さん)、「箱を開けたら雪だるまのお守りが入ってて、思わずほろり」(北海道・田村巧さん)など、心温まるエピソードがあふれている。専門家で多拠点生活研究家の御子柴徹氏は「非日常的な“つながり”の体験が、分断されがちな現代の働く人々の心理的安心につながっている」と語る。
みかん箱プロジェクトは、希望するサテライトオフィスが次々と自発的に参加する形で広がりを見せている。最近では“おすそわけ便”の行き先を決める簡易抽選アプリまで誕生し、次はどの地域に届けられるかがちょっとした楽しみになっているそうだ。瑞樹さんは「箱のなかには、みかんだけじゃない、見知らぬ誰かへの小さな勇気や希望が詰まっています」と微笑む。
今日も全国のどこかのオフィスで、みかんの香りとともに温かな気持ちがリレーされている。箱を開くひとときが、多拠点で働く人々の新しい絆の種となっているようだ。



コメント
こういうお話、本当に素敵ですね!日々子育てに追われる中で、みかんの箱に込められた優しさは、忙しい毎日の癒しになりそうです。私もこんなおすそわけの輪が近くで広がったら嬉しいです。
昔はよく隣近所でお裾分けし合ったものでした。こうやって今の若い方たちが新しい形で優しさを回しているなんて、心が温まりますね。世代を超えて受け継がれてほしい習慣です。
ほんといい話!SNSでバズってるの見たけど、みかん箱に名産や手紙とかワクワクする~。自分も社会人になったら、こんなプロジェクトに参加してみたいな。
うちの商店街にもこんな“おすそわけ便”来てくれたら楽しいだろうな~って思いました。地元の人同士のつながりも、こんなおしゃれな形で広がっていくといいですね!
日々の仕事でピリピリしてたけど、この記事読んでほわっとしました。それにしても、この優しさのリレーは最高!遠くの誰かとやさしい気持ちでつながれるってステキです。