おばあちゃんたちがバーチャル庭園でライブ開催 世界中の孫と花咲く再会の輪

数人のおばあちゃんたちがタブレットを手に笑顔でオンラインライブに参加している様子の写真。 オンラインライブ
バーチャル庭園ライブでつながるおばあちゃんたちの温かな交流。

オンラインライブがますます多様化するなか、意外なブームがそっと広がっている。今、注目を集めているのは全国の高齢者グループによる“バーチャル庭園ライブ”だ。複数人が通信でつながり、好みの草花や思い出の風景を背景に音楽とおしゃべりを届けるイベントが、孫世代はもちろん海外在住の家族やご近所同士で人気を呼び、心あたたまる交流が生まれている。

発起人は福島県在住の山之内ちよ(76)。コロナ禍以降、なかなか会えない孫たちともっと気軽につながりたいと考え、同世代の友人たちとデジタルの勉強に挑戦。庭いじりが大好きな山之内が提案したのは、“皆で好きな花の背景を作って、歌や昔話をライブ配信しよう”というもの。最初は地域のデイサービス利用者10人と、小さなタブレット1台からのスタートだった。

次第に噂が広まり、手作りのバーチャル背景の工夫も進化。メンバーの鶴巻弘子(82)は秋桜の咲くアルプス風景を、佐伯義一(79)は森の中の小川をイメージして作成。背景に合わせて、懐かしい童謡やオカリナの演奏、手作りの紙芝居も披露されるようになった。参加者は自宅や施設から、自由に思いの時間にアクセス可能。毎回のライブが終わるたび、画面越しに笑顔が咲き、コメント欄には「涙が出るほど懐かしい」「祖母と一緒に歌いました」など温かい声があふれる。

この取り組みが話題になると、通信会社リトルリンク社が協力を申し出た。専用のバーチャル背景セットを寄贈し、接続が不安な高齢者のサポート窓口を設けた結果、70歳以上の参加者が一気に800人を突破。海外在住の孫世代にもライブが届けられるようになり、時差をこえた再会や、画面越しに寄せ書きを披露する“花の手紙”コーナーも始まった。

企画は今、春夏秋冬で限定コンテンツを拡充中。施設や地域ごとの特色を背景にした特別ライブや、童話の朗読会、美空ひばりになりきるカラオケ選手権まで多彩に展開。参加した祖父母世代からは“SNSは苦手だけど孫の声が聞けて幸せ”“友だちの新しい一面を知った”と喜びの言葉が後を絶たない。エンタメの力で家族や地域の距離が縮まる、心温まるバーチャル庭園ライブは、国内外に向けて新たな絆の輪を広げている。

コメント

  1. 子どもたちと記事を読みながら、一緒におばあちゃんを思い出しました。実家が遠いので、こんな風にオンラインでつながれるのは本当に素敵ですね!次のお休みにおばあちゃん誘って一緒に参加してみたいです。

  2. わしももうすぐ80だけど、こういうチャレンジ精神のある皆さん、尊敬します。昔は知らんかったことが今は簡単にできるんじゃな~。今度ひ孫と試してみたい。

  3. 最近実家に帰れてなくて寂しかったけど、このニュースを読んでほんとにほっこりしました。うちのおばあちゃんも花が好きだから、一緒にバーチャルで楽しめたらよさそう!

  4. 自分の町でもこんな取り組みがあったら参加してみたいです。お年寄りと子どもたちの触れ合いって、画面越しでも心が温まるものですね。主催の方々、素晴らしいアイデアありがとうございます!

  5. 祖母とこんな楽しい方法で繋がれるなんて夢みたいです。花の手紙コーナー、想像するだけで温かい気持ちになりますね。日本の優しさ、そのまま世界に広がってほしいです!