古びたコンクリートのトンネルが、突如として“絵本の森”に生まれ変わった。プロジェクトを担ったのは国籍も年齢も性別もばらばらな8カ国16人。「言葉が通じなくても、絵の中でなら、みんな家族になれる気がした」と語るチームの軌跡が、いま世界中で優しい話題を呼んでいる。
舞台は北海道の奥深く、廃校近くにある旧海山トンネル。3年前から地元町民と移住者グループによる再生プロジェクトが進められてきた。そこに今年春、世界最大のオンライン美術コミュニティに投稿された「誰かと壁を塗り替えたい」という田部純一(プロジェクトリーダー、42)の呼びかけが拡散。応募はシリア、モロッコ、パラグアイ、ベトナム、スウェーデンなど世界各地から殺到し、オンライン面談を経て16人の多国籍メンバーが結成された。
“色彩バディ”という新しいバディ制度のもと、1人1人に異国出身のペアが組まれた。言語や画材の好み、好きな動物や故郷の思い出などを、トンネル前のカフェやオンライン会議で語り合いながら下絵を構想。実際のペイントでは、アラビア語とスペイン語、日本語で書かれた小さな手紙や、世界各地の花のモチーフがキャンバスに溶け合った。
特に注目を集めたのは、7歳のナミビア出身エミリー・ナムタリさんと66歳フランス出身のミシェル・ブリアンさんがペアを組み、夜空に浮かぶ夢の列車を描いたエリアだ。身長差50センチをユーモアに変え、お互い届かない場所は『バディジャンプ』と名付けて交互に肩車に挑戦。作業を見守っていた地元小学生たちから歓声があがる場面もあった。
「ふだんは違いを意識するのに、色と笑顔に囲まれると、みんなの違いがむしろ美しく見えた」と話すのは、スウェーデンから参加した彫刻家のエルザ・ノルベリ(29)。作業は文化的な誤解や塗料の好みの違いで混乱しそうになることも。「でも、どこかで必ず誰かが“これも悪くない”って受けとめてくれる人が現れて、空気がやわらかくなった」と振り返る。
世界のSNSでは『#ミラクルトンネル』とともに、現地を訪れた観光客による鮮やかな写真が次々と投稿されている。専門家の間でも、プロセスそのものがダイバーシティ推進の象徴として高く評価されている。プロジェクトに携わった全員が『異文化のバディと絵を描くことで、違いの面白さも、似ている部分も感じ合えた。自分の中にも新しい色が生まれた気がする』と語っていた。今後も世界各国のどこかで、“壁を森に変える”幸せなバディの挑戦が続きそうだ。



コメント
子どもたちと記事を一緒に読みました。世界中の人が集まって力を合わせるなんて、本当に素敵!うちの子も絵を描くのが好きなので、こういう活動がもっと身近になったらいいなと思いました。トンネルを見に家族で旅行したくなります。
わたしは北海道在住のシニアです。昔はあのトンネルをよく通りましたが、廃校以来寂しい場所だと思っていました。今は遠くからこんな明るい話題を届けてくれて、なんだか胸があたたかくなりました。若い人たちに感謝したいです。
めっちゃすごいです!国とか言葉とか関係なくて、絵でみんなつながるってのがカッコイイ。肩車して描くの、楽しそう(笑)。今度自分たちの学校でもこういう壁アートやってみたいなー。
このトンネルの近くでカフェやってます。みなさんの作業を少しですが見ていました。言葉が通じなくても、笑顔やジェスチャーで仲良くなっていく様子にいつも元気をもらっていました。素敵なプロジェクト、これからも応援しています!
とても心があたたかくなるニュースですね。世界中の人たちが違いを楽しみながら一緒に絵を完成させるなんて、まさに奇跡。SNSの写真も拝見しましたが、本当に夢の中みたいにきれいでした。また次の“壁を森に変える”チャレンジも楽しみにしています。