水晶クラスターが咲く村――鉱石アートでつながる“幸せ祭り”開催

早朝の村で、村人と子どもたちが大きな虹型の鉱石アートを囲んで微笑んでいる様子。 鉱物と地質
朝日に輝く鉱石アートの虹を囲み、村人たちが笑顔で交流しています。

北アルプスの麓にひっそりと佇む小さな村・天栄村。ここに、冬枯れの季節にも関わらず、村じゅうが淡くキラキラと光り輝く不思議な現象が話題を呼んでいます。その正体は、村人たちによる“鉱石アート”の祭典。自然と人の協力で生まれる心温まるお祭りが、今年も村をにぎやかに彩っています。

天栄村の鉱物活動団体「彩石会」代表の田口アツシさん(56)は、10年前の大雪の日、古い井戸の底から偶然美しい水晶クラスターを発見したことがきっかけで、村全体で鉱物を愛でる活動が始まったと語ります。「昔は農閑期になると集落全体が静かになっていました。でも、この水晶が見つかってから、みんなで標本を眺めたり、絵を描いたりと、交流の輪がどんどん広がったんです」。

今年の“幸せ祭り”のテーマは「虹色の軌跡」。子どもたちは村の近くにある火成岩の断層から採取した鉱石や粘土、小さく削った岩塩を使って、それぞれの夢を表現したアート作品を制作。村人たちの手で作られた鉱物インクで彩色された大きな紙に、思い思いにトレジャーハントで見つけた石を貼り付けて、巨大な虹のオブジェが誕生しました。祭りの夜明け、反射する朝日を浴びて輝き出す虹は、訪れた誰もが思わず歓声を上げるほどの美しさです。

祭り期間中、村の小道や民家の軒先には自作の鉱石標本と変成岩のオブジェが並び、訪れた人たちは思い思いの石を手に取りながら交流。SNSでも「#天栄村クリスタル祭り」のハッシュタグで、アート作品や子どもたちのトレジャーハント姿が拡散されています。イラストレーターの藤本めぐみさん(29)は「鉱石インクで絵を描くと、心がほぐれる。ここでしか味わえない贅沢な時間です」と瞳を輝かせます。

毎年、来場者に配られるという“幸運の水晶クラスター”も評判を呼んでいます。今年は村の陶芸家・新見リョウコさん(67)が、地元の粘土で作った小さな水晶型の置き物に、子どもたちが顔を描いて仕上げました。「願い事を心に秘めてそっと握ると、きっとかなう気がします」と語る新見さんの笑顔に、訪れる人々もつい和やかな気持ちになるとか。田口さんは「鉱物や大地とつながることで、人の心が優しく温かくなれば」と語っています。

次第に春の兆しが近づく寒い村の夜に、鉱石たちが放つ柔らかな光と、人々の優しい笑顔が響き合う――今年も天栄村には“本当の宝物”が集まりました。

コメント

  1. 子どもたちが夢中で石を探したり、お絵かきしたりしてる様子がとっても可愛くて、うちの子もぜひ参加させてあげたいなって思いました。地域みんなでひとつの作品を作るなんて、すてきな体験ですよね。心がほっこりしました。

  2. 昔は村の行事といえば田植えくらいしか記憶にない私ですが、こうした新しい祭りが根付くのは嬉しいですね。鉱石や土と触れ合うことで、自然に感謝する気持ちも育つのだと思います。若い人も増えて賑やかになるといいなぁ。

  3. めちゃくちゃファンタジーで現実?ってなるけど、想像しただけで胸がアツくなる!自分の地元にもこんなイベントあったら絶対行きたいなあ。水晶の虹オブジェ、映えまくりそう!

  4. 天栄村、いつ見てもあったかい雰囲気ですね。出張で寄った時に、石で作った小さなオブジェをひとつお土産にいただきました。握るとほっとした気持ちになれるんです。村の皆さんには毎年ほんとうに頭が下がります!

  5. きれいだな〜!SNSで見かけて気になってたけど、子どもたちが自分で石を探して虹を作るなんて、ストーリーが素敵すぎる。私もちょっと元気をもらいました。来年は現地で一緒に朝の虹を見てみたいです。