東京を走る外環状道路がゆるやかに緑へと染まり始めている。新しい試み「グリーンループ・プロジェクト」により、アスファルトの一部が苔と小花に彩られた“コケむす道路”へ。この道を日々利用する人々の暮らしと心に、小さな変化が訪れている。
発端は都市部の温暖化と騒音対策のために始まった環境省主導の社会実験だが、中心となったのは市民ボランティアグループ「ルーピング・グリーン」と、気候変動に取り組む研究者・蓮見怜斗さん(34)。彼らは、「せめて通勤路の足元から、都市にも森の息吹を」と考え、外環状道路の歩道沿い1キロにわたり、特殊な苔パネルと在来種の小さな花を並べて植え付けた。
不思議なことに、この苔むす歩道は雨の日もぬかるまず、子どもからお年寄りまで安全に歩ける。微細な水滴が苔の間に吸収されていき、乾いた日はひんやりと心地よい。通勤途中にスマートフォンを見ていた事務員の豊島亜矢乃さん(29)は、『苔の中に小さなカタツムリを見つけて、思わず立ち止まりました。最近は通勤が楽しみです』と話す。
プロジェクトが予想を裏切って注目を集め始めたのは、SNSで“#コケのある暮らし”が人気ハッシュタグになった頃からだ。住民たちは毎週末、小さな寄付で可愛いベンチやミニバードバスを追加設置し、季節ごとに自生する花の手入れも。子どもたちが描いた苔アートや、犬の散歩ついでに拾われた落ち葉で作る自然モザイクも話題だ。「苔の上は、休日のお昼寝に最高のスポットです」と、近隣の高齢者・寒川信一さん(77)はにっこり。
専属の調査チームによれば、この苔の“森”が生まれてから周辺道路の温度が1.5度下がり、排気ガス中の有害物質も微減。コケが垣根となって花粉やほこりも吸収し、道端での会話や笑顔が増えたと報告される。「緑が増えれば、人も街も元気になる。それを実感できる場所にしたい」と蓮見さん。今では支援金の一部が国内他都市のグリーンループ展開に充てられる予定だ。街の足元に静かに広がる“コケむす道路”は、人と自然が優しくつながるきっかけになっている。



コメント
毎日小学生の娘とこの道を通っています。苔や小花を見ながら通うと、こどもが「今日はどんなどうぶつがいるかな?」とワクワクしています。こんな優しい道がもっと増えてほしいです。
いやぁ、77年生きてきて道路が森みたいになるとは思わなかったよ。日向ぼっこしながら近所の人とおしゃべりできるし、昔の里山を思い出して懐かしいです。みんな笑顔も増えた気がするねえ。
SNSで話題になってて見に行きました!ほんとに写真映えするし、すごく癒やされます。通学の途中でちょっと座って、友達とぼーっとできる時間が増えました。都会の新しい楽しみ、って感じです!
毎朝サブロー(犬)と一緒に散歩してます。苔やお花が増えて、散歩コースがもっと楽しくなりました!サブローも苔の緑の上が気持ちいいみたいで、時々伏せしてまどろんでます。もっといろんな道でもやってほしいです。
正直最初は『苔なんてすぐ枯れるだろ』と思ってましたが、今では通勤時にほっと一息つける大事な場所になりました。ちょっとした自然がこんなに心を和ませるとは。考えてくださった皆さんに感謝したいです。