ルビシュ村で週末に行われた「音のない会話市」は、ことばを一切使わずに人々が交流するというユニークなイベントだ。言葉を封じられた広場には、手振りや微笑み、まばたきや軽い頷きが飛び交い、不思議な温かさが滲む空間が生まれた。主催は地元の農家、ギシエル・ナツミ(44)。彼女には幼い頃から聴覚に障がいがあり、「伝えたいことは声だけじゃない」と、村の人々に新しいコミュニケーションを提案した。
当日は、村の特産であるルビベリーや手作りパン、ウール帽子の出店が二十軒ほど並び、それぞれの商品紹介も全てジェスチャーやイラストが添えられた掲示板で行われた。野菜のオススメポイントを両手で大きく描く店主、客の『おいしい!』を身体全体で表現する子ども達。会場は普段より静かだが、空気はなんとも言えずあたたかく、笑い声が所々で弾けていた。
注目を集めたのは、村の学校教師エリェン・タカノ(28)による『無声ポエトリー』ワークショップ。参加者は、感じた気持ちや風景を動作と表情で読み合うというもので、まるで心の芯に直接触れるようなやりとりが続いた。『言葉がなくても、伝えたくて自然と動き出す自分に驚いた』と、参加した高校生のカイロ・ナリミ(17)は感想を語る。
このイベントには、さまざまな立場から村外の人々も多数訪れた。SNSでは『言葉の壁どころか、人と人の垣根がない』や『初対面なのに、古くからの友達のような気持ちになれた』との声が多数投稿され、共感の輪が広がった。全体を見守っていた村長のホーゼン・リイチロウ(63)は『子どもも大人も外国の方も、みんな自分らしい表現でつながっていた。村に新しいやさしさが生まれた気がする』と顔をほころばせた。
ギシエルさんは今後も、年に数回の『音のない会話市』継続を決意。次回は、国際的なサイレントダンス交流や、触れることで心を通じ合わせる“ふれあい翻訳”体験コーナーも企画中だという。言葉の有無に縛られない新たなつながりが、静けさの中で優しく広がっている。



コメント
素敵なイベントですね。うちの子もちょっと人見知りだけど、言葉なしなら自然と笑顔になれそう。親子で参加してみたいです。こういう優しい空気、大事にしたい!
まさか静かな広場がこんなにあったかくなるなんて、びっくりしました。うちの店でも手振りやイラストで伝えてみようかな。次回はぜひ出店させてほしいです。
人って本当に色んな表情や動きで想いを伝え合えるんだなぁ。普段の忙しさを忘れて、もっとゆっくり周りの人と向き合いたくなりました。ルビシュ村、尊敬します!
昔はもっとご近所同士、顔を合わせて目で通じ合うことが多かったように思います。なんだか懐かしくて、あったかい気持ちになりました。ギシエルさん、ありがとう。
ジェスチャーだけで誰とでも繋がれるなんて、ちょっとドキドキしたけど最高に楽しかった!言葉がなくても優しさが伝わるって本当なんだなぁ。また絶対行きたいです!