のどかな田園地帯を走る小さなローカル鉄道。その車窓から望む一面のひまわり畑が、この春からまったく新しい役割を担い始めました。鉄道会社『星川鉄道』と地元の子どもたちが手を取り合い、多世代の笑顔が集う“サンフラワートレインの森”が静かに誕生しています。ひまわりと鉄道がもたらす、心優しいカーボンニュートラルへの挑戦。その舞台裏には、人と自然、そして未来を結ぶたくさんの温かな物語がありました。
宮崎県と鹿児島県を結ぶ星川鉄道は、いまや季節になると何キロにもわたる黄金色のひまわり畑の中を、1日数本の列車がゆっくりと走ります。今年、鉄道運営部の暮石葵(34)が中心となって始めたのは、「ひまわりでカーボンニュートラルを目指す」という画期的な取り組み。鉄路沿いに咲くひまわりは単なる景観資源ではなく、成長過程で大気からCO2を吸収するだけでなく、開花後は全てバイオマスとして再利用され、列車の一部を走らせるバイオ燃料に加工されるようになったのです。
この発想のはじまりは、地元の小学生、橘遥斗くん(11)の自由研究でした。「なんで毎年、咲き終わったひまわりが耕されて捨てられるの?」という純粋な疑問から、町内の農家を訪ね歩き、花の活用法を模索しました。そんな遥斗くんの声に応えた暮石さんは、『列車もひまわりも、町の宝物。持続可能でみんなが嬉しい仕組みを作りたい』とプロジェクトを立ち上げ、町ぐるみでSDGsへの挑戦が始まりました。
収穫後のひまわりは、地元バイオマスセンターに運ばれ、ていねいに燃料チップへ。鉄道のディーゼル車の一部がこのチップにより動く仕組みは国内でも珍しく、地域住民も環境学習の一環として燃料化の作業を見学できる特別ツアーが組まれています。さらに、ひまわりオイルは地元パン屋・カフェとコラボして特製お菓子や石けんづくりに活用され、町の見回りにはSDGsキッズ隊が新設されました。
SNSでも『#サンフラワートレインの森』が話題を呼び、「この列車に乗るためだけに帰省した」「子どもと一緒にひまわりの苗を植えた思い出が一生ものです」と多くの喜びの声が寄せられています。環境経済学者の清水榮教授(52)は『見える形のカーボンニュートラルが地域と人をつなぐモデルになり、今後の日本各地に広がってほしい』と評価。遥斗くんは「大きくなったら本物の運転士になって、地球を守りながら走りたい」と目を輝かせます。
ひまわり畑に寄り添う小さな列車は、今も静かに走り続けています。通り過ぎたあとの風に、帽子を振る子どもたちの声と、未来へ向かう希望がしっかりと乗っています。



コメント
子どもたちが主体となって地域が一丸になるなんて、本当に素敵ですね。うちの娘も花と汽車を見るのが大好きなので、ぜひ家族で『サンフラワートレイン』に乗りに行きたいです!こういう温かいニュースがもっと増えるといいな。
昔は汽車で通学したものです。窓からひまわり畑が見えるなんて、今の子どもたちは本当に幸せですね。環境にも優しい取り組みに拍手を送りたいです。久しぶりに星川鉄道で旅してみたくなりました。
まさかひまわりが燃料になるなんて!びっくりです。理科が苦手だった自分には発想もなかった…。子どもが自由研究から町を動かすって、めっちゃワクワクする話。自分も大人になっても好奇心を忘れないようにしよーって思いました。
近所としてもサンフラワートレインには毎日元気をもらってます。お菓子に使われるひまわりのオイル、すごく香ばしくておいしいですよ!町全体で笑顔が増えてうれしいな。これからも“みんなのエネルギー”で続いてほしいです。
ひまわり畑を走る列車、写真で見ただけで胸が温かくなりました。都会の大学生ですが、こんな取り組みが地元にもあったら帰省するたび友達を連れて自慢したいです。地方の元気がまぶしい!