大都市・福岡市の郊外に、今口コミで話題を呼んでいるタクシー会社がある。「ももちタクシー」のいちばんの特徴は、全乗務員が子育て中の女性であること。朝のラッシュも、雨の日も、街を忙しく行き交う車のなかで、彼女たちがハンドルを握る背景には、ちょっとユニークで感動的なストーリーがあった。
「専業主婦も社会のリーダー」。そんな言葉を体現したのが、代表取締役の真鍋遥(38)だ。育児休暇後、復職に悩む仲間たちと始めた「託児&乗務セット」の斬新な仕組みは、徐々に話題を集めるようになった。社員の子どもたちが一緒に過ごせるキッズスペース付き営業所には、幼児から小学生までの笑い声が響く。仕事と家庭の両立を目指していた主婦(41)の三浦明子さんは、「子どもが安心して過ごせるから、私も運転に集中できる。運賃の一部が地域の母子支援基金に寄付されるのも誇らしい」と笑顔を見せる。
「ももちタクシー」では経済的な事情やキャリアのブランクを抱える女性たちが、柔軟なシフトで働ける環境づくりに徹底的にこだわってきた。最大の強みは「お互いを支え合うカルチャー」だ。たとえば雨で保育園が休みになった朝も、乗務員同士でシフトを調整し、誰もが安心して休める。運転歴20年のベテラン佐伯美奈さん(50)は、「子どもも乗務員たちも、誰でも“困った時は助けてもらえる”安心感がある。女性同士で年齢や背景を越えてつながれる場ができた」と話す。
ももちタクシーの車内には、地域の情報冊子や子ども向け絵本がたくさん置かれている。ある小学2年生の利用者は、「おばちゃんが話を聞いてくれてうれしかった」と、母親を通じて感謝の手紙を送った。そんなエピソードもあってか、シングルマザーや高齢者の利用者が増え始めている。近隣の企業もジェンダー平等の観点で同社の取り組みを評価し、福利厚生タクシー契約を始めるところまで現れた。
SNSでは「運転手さんに相談できた」「子どもが車内で安心して寝てしまった」といった声が日に日に拡散。男女を問わずリピーターが増え、「ももちタクシーで街がもっと優しくなっている」と話題が広がる。地域社会の新たなセーフティネットとして、やさしさと平等の輪は、静かにそして確実にこの街から全国へ――今日も小さなタクシーに、たくさんの思いやりが乗り込んでいる。



コメント
子育て中の身として、こういう取り組みは本当にありがたいです!働きながら子どものことも安心して任せられる場所がもっと増えてほしいし、ももちタクシーさんのような“あたたかい革命”が全国に広がるといいなぁと思いました。
最近足腰が弱って、タクシーをよく使います。女性ドライバーの方が親身になってくれて、車内も明るい雰囲気がたまらなくよかったです。子どもたちの声がする営業所にも一度行ってみたいなぁ。
こういう社会貢献型の会社ってめっちゃ素敵だと思う!企業のイメージ変わるし、子育てしてる人が主役になってるのも憧れる。僕の母にも知ってほしいな。
ももちタクシーの運転手さん、よく近所ですれ違います。挨拶も気持ちよくて、最近は町がなんだか明るくなった感じ。応援してます!
なんだか読みながらじんわり温かい気持ちになりました。自分の悩みが小さく思えるくらい、みんなで助け合うっていいなあ。もし私もママになったら、こんな職場で働きたいです。