朝まだきの小さな駅前広場に、一台、また一台とカラフルなキッチンカーが集まってきた。今年初開催となる「まるごとふるさとキッチンカーフェス」は、地産地消を合言葉に、日本各地の旬や伝統レシピを一緒くたに乗せた“グルメ列車”さながらの食の祭典。朝一番、入場券を握りしめた親子が駅の改札をくぐると、香ばしい匂いと地元の笑顔が迎えた。
イベントを主催した実行委員長、田辺柚子さん(42)は、「駅そのものが食堂になっちゃったら楽しいよね、ってアイデアから始まりました」と微笑む。キッチンカーに乗り込む販売員は地元の農家、漁師、パン職人らが自ら運転し、各地特産の新鮮食材を使った料理を実演。なんと、参加者は駅のホームチケットを模した入場券を手に、列車に見立てた順路を進み、まるで旅先で食べ歩く気分を味わえる仕掛けだ。
インスタグラムでは、虹色の出汁巻き玉子を乗せたおむすびや、蓮の葉で包んだ炊き込みご飯など、思わず立ち止まってカメラを向けてしまう“映えグルメ”が話題に。中でも、青少年ボランティア「リーフ隊」が育てた色とりどりの野菜スティックは、「自分たちで育てた野菜を食べてほしい」と、笑顔で振る舞っていた。その場で交換されるレシピカードと手書きメッセージには、おいしさ以上の温かみが感じられた。
会場の一角にあった“おすそ分けキッチン”では、ひとつ余った焼き立てパンを地元の高齢者へ無料で配るサプライズも。パン職人の三宅誠司さん(58)は、「小麦を作った村の子どもたちの似顔絵シールを貼って手渡ししたら、貰った人が懐かしい話をはじめて…食がつなぐ思い出のリレーになりました」と語る。実際、子どもたちに話しかけるおばあちゃんの瞳はきらきらと弾んでいた。
食フェス終盤、参加者全員で特製スープを囲み、小さな乾杯が行われた。高校生ボランティア、井原千秋さん(16)は、「普段話したことのない農家さんや市外の人と一緒に笑ったり、手を振り合ったり…この駅がまるごと広いリビングになった感覚でした」と声を弾ませる。会の最後には手書きの感謝状が入場券ホルダー全員に手渡され、帰り道はふるさとのあたたかさとお腹いっぱいの幸せが乗車していたようだった。



コメント
子育て中のママとして、こういうイベントは本当に嬉しいです!子どもと一緒に地元のおいしいものや、普段会えない農家さんたちと触れ合えるなんて素敵ですね。レシピカードも家で一緒に作ってみたいです。来年は絶対親子で参加したいです♪
最近は人と話す機会が減ってさみしい思いをしていましたが、こんなふうにパンをもらいながら笑い合える場が町にできるのはありがたいですね。昔の縁日を思い出しました。また駅前でみんなに会えるのを楽しみにしています。
こういうフェス、映えグルメも多くて行ってみたくなります!ボランティアの高校生が楽しそうなのもいいなぁ。知らない人同士でつながれるって、今の時代にすごく大事だと思いました。もっと全国でやってほしい♡
うちの近所の駅だったので朝からふらっと立ち寄ったのですが、まさかこんなに賑やかになるとは…!地元の人の手作り感や笑顔があって、とても温かい気持ちになりました。同じ町内でも、まだ知らない人と話せるのって新鮮ですね。
なんて優しい世界…!普段は忙しくて、本当にこういうほっこりするニュースを見ると、何だか頑張れそうって思えます。全国の駅で『食堂』イベント、いつかリアルでも体験してみたいです。記事読んで無性にお腹が減っちゃいました(笑)