窓辺の猫ラジオがつなぐ近助の輪――備蓄品が歌になって届く街の小さな奇跡

窓辺で短波ラジオに前足を乗せる猫と、隣に寄り添う二人の小学生きょうだいの様子。 災害共助
ネコノ町の子どもたちが猫と一緒に始めた“猫ラジオ”が、住民どうしの支え合いを生み出しています。

大雨の影響で一時的に通信が遮断された北東区ネコノ町で、窓辺に置かれた“猫ラジオ”から流れるうた声が、住民同士の思いやりのネットワークを広げている。備蓄品が足りない家庭と、余った品を持つ家庭を優しく結びつけるのは、町内の小学生とその愛猫たちのユニークな発想だった。

通信障害が長引いた先週、ネコノ町の11歳の児童・梶原ミナトさんと妹のサキさん(8)は、自宅の窓辺に昔ながらの短波ラジオを設置し始めた。いっしょに暮らす猫・コトリ(2歳)が機器のスイッチ部分に前足を乗せると、まるで猫と一緒にアナウンスをしているかのようなほっこりボイスが町に響きわたった。「こんにちは、困っていることはありませんか。今日の歌は“にゃんこ備蓄ソング”です」――メロディに乗せて、米や水、電池やブランケットの情報が歌われる。

ミナトさんきょうだいの呼びかけに応え、近所の主婦・天谷リツコさん(39)は「家に余っていたカンパンを届けたい」と名乗り出た。短波ラジオから流れる備蓄情報の合図に合わせ、小さな紙袋に詰めた品々を猫の首輪に取りつけ、互いの家を訪問し合う“キャットキャリー”が町に拡がった。猫同士が顔を合わせて挨拶し、困っているお年寄りにはお手紙のやりとりも生まれた。

SNSでは「#猫ラジオ共助」のタグが話題になり、他地域からも「うちの犬でやってみます!」「子どもたちの発想に脱帽」といった声が続々と寄せられた。専門家の北都大学・防災共助研究所の吉良日菜教授は「物資だけでなく、歌や小さな手紙が“ぬくもり”も運ぶ仕組み。若い世代の柔軟な発想力と、ペットという身近な存在が町の精神的な支えになった」と分析している。

復旧作業が進み、通常の生活が戻りつつあるなか、猫ラジオは今では“ひだまり放送局”として週に一度、町内のちょっとした困りごとやお祝いメッセージを歌にして届けている。梶原さんきょうだいの母、涼花さん(41)は「災害時に支え合えた体験が、子どもにも大人にも宝物になりました」とほほえむ。いつもの窓辺では、今日も猫たちが首を振り、遠くで歌声がやさしく町を包んでいる。

コメント

  1. すてきなお話に、読んでいて思わずほっこりしました。子どもたちの発想力って本当にすごいですね!自分の子もこういう優しい気持ちを育てていきたいなと思いました。

  2. 猫ちゃんと子どもたちが、昔ながらのラジオで町をつないでくれるなんて、戦後のご近所助け合いを思い出しました。今の時代にも、こういう温もりがあるのは嬉しいです。

  3. 正直すごい発想力!SNS世代だけど、たまにはアナログな方法もいいですね。ペットがコミュニケーションに加わることで、逆に人間同士の距離が縮まる感じ、めっちゃ羨ましいです。

  4. ご近所でこういうことがあったら、自分も何かできたかなと考えさせられました。キャットキャリーって発想もかわいすぎ!子どもたちと猫ちゃんたち、ありがとうの気持ちでいっぱいです。

  5. うちは犬派だけど、この記事読んで我が家のワンコでも参加できないかなってワクワクしてます♪ みんなが優しい気持ちでつながれる町、とても憧れます。