オーバーサイズの幸せが町を包む おばあちゃんの“染め直し大作戦”で衣服文化に新風

地域コミュニティスペースで、さまざまな年代の人々がカラフルなオーバーサイズの服を手に取り、自然な笑顔で交流している様子。 衣服文化
新しく染め直されたゆったり服を囲み、世代を超えて交流する北新町の人々。

古いセーターや着なくなったワンピースが、町じゅうにほっこりとした新しい彩りをもたらしている。北新町で暮らす吉井たまえさん(72)がはじめた「染め直し大作戦」が、町内外に優しい波紋を広げている。オーバーサイズの服が人気となる中、“ぴったり”より“ゆったり”を楽しむ風潮と、地域ぐるみの衣服レンタルが融合した、心温まる取り組みだ。

始まりは、吉井さんが長年押し入れにしまっていた自分の服を、孫の志織さん(15)に譲ったことだった。だが、色あせたりサイズが合わなかったりして、そのままでは着られない洋服がたくさんあった。そこで吉井さんは町内の知人たちにも声をかけ、集まった服をみんなでオーバーサイズ向けに仕立て直し、ひとつひとつ天然染料で染め直すことに。すると、淡いブルーや草木色の“新しい昔着”が次々と完成。できあがった服は、小さなコミュニティスペース「くつろぎ庵」で自由にレンタルできるようになった。

たまえさんは、「大きめの服は中に重ね着もできるから、みんな自分流にアレンジを楽しんでいる」と微笑む。町の児童館からも「運動会の時に鮮やかなオーバーシャツで走り回る子どもたちを見て、みんなが明るい気持ちになった」と喜びの声が上がっている。染めの色を相談したり、布を分け合ったりするうちに、顔を合わせる機会が増え、世代を超えた交流も生まれているという。

衣替えの季節には、『好きな色で着たい服を』という特設イベントも開かれるようになった。地元高校の美術部が染色ワークショップを主催し、町の人たちと一緒に創作するという嬉しいコラボも実現。染色用の野菜や花は、近所の家庭菜園や公園から分けてもらったものを利用しており、参加した主婦(39)は「野菜や草花の匂いがほのかに服に残って、着るたびに季節を感じる」と感想を話す。

近頃はSNSでも『北新町カラフル計画』のハッシュタグがじわじわと広がっている。自分の体よりひとまわり大きなシャツで、楽しそうにジャンプする子どもや、鮮やかなピンクのワンピースで犬と散歩する高齢者など、微笑ましい写真に「この町に住みたい」「服が新しい人生をもらってる」とコメントが集まっている。染めとオーバーサイズが結んだ奇跡のリユース文化は、これからもたくさんの笑顔を生み出していきそうだ。

コメント

  1. 娘が学校でこのプロジェクトの話を聞いてきて、早速一緒に古い服を持っていきました。色鮮やかになった服を見て娘も大喜び!服を通して世代を超えて交流できるって素敵ですね。

  2. 僕もオーバーサイズ好きだから、こういう町ぐるみの取り組みはめちゃくちゃうらやましいです!染めのワークショップとか体験してみたいな~。服のリユースでエコだし、みんな仲良しで最高。