香り広がる“アロマバス”始動──高齢者と子どもがつなぐ笑顔の福祉政策

木目調の明るいバス車内で、高齢者と子どもが隣同士で笑顔を交わしながらアロマオイルや花を手にしている様子。 福祉政策
スマイルアロマバスの中で世代を超えた交流が自然と生まれている。

南信州に、虹色の車体がひときわ映える一本のバスルートが誕生した。車内にふんわりとラベンダーの香りが漂うこの「スマイルアロマバス」は、地元のこどもたちと高齢者をつなぐ新しい福祉のかたちとして注目を集めている。

スマイルアロマバスは、利用者が車内でお気に入りのアロマを選んで楽しめる全国初の移動型地域福祉拠点。企画したのは社会福祉士の池上早紀(38)だ。彼女が日々の相談活動で気づいたのは、子どもも高齢者も、時に“居場所”がなくて寂しい気持ちになる瞬間があるということだった。「場所を分けるんじゃなく、思いきって混ぜてみたら?」ある日の高齢者サロンでの何気ない会話が、アイデアの芽となったという。

運行初日から、多くの市民が乗車を楽しんだ。小学生の山本湊斗(10)は「算数が苦手だから、バスに“算数相談コーナー”があるのがうれしい。おじいちゃん・おばあちゃんも昔の勉強を一緒に考えてくれるし、ぼくはスマホの使い方を教えてあげてるよ」と、笑顔で語る。車内は木目調の内装に、アロマボトルと季節の草花がずらり。座席ごとに「子ども相談」「高齢者おしゃべり」「交流フリー」の札が用意され、ちょっとした会話から生まれる小さな輪が広がっていく。

このバスには定期的に保育士やケアラー支援員、障害者雇用アドバイザーも搭乗。相談や悩みがあるときには気軽に声をかけられる仕組みだ。生活困窮者支援の情報、デジタル福祉ツールの使い方教室、インクルーシブ教育について話し合うミニサロンも随時開催。なかでも人気なのは、乗客が持ち寄った地元野菜で即席の“みんなのこども食堂弁当”をつくる時間。誰でも参加でき、温かいおにぎりや味噌汁を囲みながら地域の話題で盛り上がる。

SNSではたちまち「#アロマバスで会おう」のタグが広まり、「久しぶりに心から安心した場所に出会えた」「隣にやさしさがあふれている」との声が多く寄せられている。池上さんは「誰もが自分を役立て合えるまちが一歩ずつ広がれば」と目を細める。スマイルアロマバスは今後、都市部や離島にも“笑顔の香り”を広げる予定だという。

コメント

  1. 子育て中の母として、こういうバスがあると本当にホッとします!子どもと高齢者が自然に触れ合える場所って意外に少ないので、ぜひ全国にも広がってほしいです。うちの子も、こういう経験を通じてやさしさを学んでほしいなと思います。

  2. ワシも昔の話しながら、若い子から新しいことも教えてもらえるなんて夢みたいなバスじゃ。ラベンダーの香りも懐かしいのう。こんな場所があれば、まだまだ地域の役に立てるような気がして嬉しいです。

  3. 記事を読んでほっこりしました…バスでおにぎり作りながらみんなで交流できるって最高!大学生の私も、勉強や将来のこと相談できそうで参加してみたいです。こんなあたたかい居場所があれば、心のゆとりが広がりそう。

  4. 家の近所にこんなおしゃれなバスが走っててビックリしました。普段は通勤でバスを使うだけでしたが、最近は帰りにちょっと寄って地域の方と話せるのが息抜きになってます。何気ない日常に彩りが増えて嬉しい気持ちになりました。

  5. 正直、福祉って難しそうなイメージだったけど、こんなに楽しいバスなら乗ってみたいと思った!スマホのこととかお年寄りに教えられる自信ないけど、逆に僕もいろいろ相談したいです。アロマの香りも気になる~!