おばあちゃんの編み物屋が世界をつなぐ──越境ECで紡がれた優しさの輪

編み物屋の年配女性がマフラーや折り鶴、手書きメッセージをパッケージングしている様子。 越境EC
おばあちゃんが心を込めて、世界へ贈る手編みのマフラーを丁寧に梱包しています。

静岡県の小さな町で古くから営まれている『アオヤマ編みもの工房』が、世界中の人々の心を温めている。オンライン越境ECサイトに出店して3年目となるこの春、海外顧客の口コミから思いもよらぬ交流の物語が始まった。

店主であり編み物歴60年の青山とし江さん(81)が、新しい決済ゲートウェイの導入に挑戦したのは、ひとり海外在住の孫から送られた一通のメールがきっかけだった。「外国の友達が、ばあばのマフラーを欲しがっているんだって」と伝えられた言葉に背中を押され、とし江さんは小さなスマートフォンの画面と格闘しながらECサイトにチャレンジ。“たった5点限定”から始まった商品は、思わぬ反響を呼び、カナダ、アルゼンチン、フィンランドまで注文が舞い込んできた。

海外配送に挑んだ当初は、現地物流の仕組みや消費税負担、託送書類の記載など、とし江さんにとっては難関ばかり。しかし、配送パートナーの森岡直幸さん(47)が毎週店舗を訪問し、一緒に発送作業やライブコマース配信のセッティングまで手を貸してくれるようになった。さらに、とし江さんの温かい人柄に惹かれた近所の主婦グループが“お包みサポーター隊”を結成。パッケージには、編み物小物とともに世界で一つだけの手書きメッセージと折り鶴が添えられるようになった。

この取り組みは海外のSNSでもたちまち話題となり、各国から「心がほんわかする贈り物」「おばあちゃんの優しさが箱いっぱいに詰まっていた!」と感謝の声が続々と届いている。ヘルシンキ在住のアミーナ・リントゥさん(24)は『人生初の日本からの荷物がこんなに温かい気持ちを運んでくれるなんて思わなかった』と喜びの動画を投稿。配信を見た別のユーザーが現地の高齢者施設にとし江さんたちのマフラーをプレゼントし“小さな贈り物運動”まで広がっていった。

「慣れないことばかりだけど、みなさんが繋いでくれるご縁に感謝しています」と、とし江さんは笑顔で語る。小さな町の編み物屋さんが超えた国境は、数えきれないほどの心温まる物語を生み出し続けている。専門家の槇原響教授(国際流通学)は「越境ECの波が、誰でも新しい幸せを生み出せることを教えてくれる好例」と語り、今後もこの“やさしさ連鎖”に注目したいと結んだ。

コメント

  1. 子どもたちと一緒に記事を読んで、とてもほっこりしました。手作りの温かさって本当に大事ですね。こんな優しさのリレーが広がる世界、素敵です!

  2. 同世代としてとし江さんの挑戦に感動しました。歳を重ねても新しいことに挑む姿勢、見習いたいです。編み物のあたたかさが世界をつないでいると思うと胸が熱くなります。

  3. なんかSNSでこういうバズり方もあるんだな〜って驚きました!地元のおばあちゃんの頑張りが世界で話題になるのカッコいい。自分も地元の魅力発信、頑張りたくなった!

  4. 青山さんとサポーター隊の皆さん、本当に素晴らしいです!私もご近所で手伝わせてほしいくらい。町全体が温かい気持ちになれますね。ますます応援しています。

  5. カナダから注文した友人が感動していました!日本からこんなに優しさが届くなんて、私もなんだか誇らしいです。とし江さん、どうか体に気をつけて続けてくださいね。