奈良県ののどかな住宅街に、最近ちょっとした“家族再発見”ブームの波が訪れている。それは、大屋敷町の主婦・板東由美子さん(42)が心から驚きと感動で涙した、祖母からのある贈り物がきっかけだった。
物語は桜が咲き始めた春の日、由美子さんのもとに一通の大きな小包が届いたことから始まる。送り主は、九州に住む95歳の祖母・板東きぬさん。中身は、蓋裏に「家族をつなぐ宝箱」と金色の筆で書かれた古びた木箱だった。箱の中には、戦前から続いた家系図、祖母が若かりし日に書きためた料理の手書きレシピと、毎年孫や子どもが家族旅行先で拾った小石や葉書が丁寧に収められていた。箱の底には「次の世代へこの箱を託して」という祖母直筆の手紙が添えられていた。
その手紙には、家族が同じ屋根の下で過ごす時間が減り、遠く離れていても“心の宝物”はずっとつながってほしい――という祖母の想いが込められていた。由美子さんは“小さな思い出”を箱に入れることで、家族の歴史と絆が積み重なっていく温かさを実感し、「ただのモノではなく、家族との信頼や応援が未来へ伝わるんだと改めて気付かされた」と語る。この春、由美子さんは6歳の娘・紗愛(さあ)ちゃんと一緒に初めての“宝物”として、家族で作った手作りの折り紙鶴と「パパとママのケンカ仲なおりバッジ」を入れたという。
由美子さんのSNSへの投稿には全国から「私も祖父母にやってもらいたかった」「ワンオペ育児で心が折れそうだったけど、これなら親子でゆっくり話せる時間が作れる」などのコメントが相次いだ。中には、自分も家族宝箱を作りたいと、近くの小学校や保育園で“マイ・ファミリー・ボックス”づくりを始める家族や、終活中の高齢者たちが「大切な想いを託したい」と出張ワークショップを依頼するケースも出てきた。
家族や親族間の相続や終活が話題になる中、地域の社会福祉士・日置航一さん(54)は「事務的な手続きだけでなく、家族が集まって何を残したいか語り合い、思いをつなげるプロセス自体が心を豊かにする。今後は家族の多様な形が増えるなかで、こうしたユニークな交流が世代を超えて広がる可能性がある」と期待を語る。20年越しの宝物箱は、今では由美子さんの家族の日常の中心に。小さな箱には、世代を超えた信頼と愛情、家族の「これからの幸せ」がぎゅっと詰め込まれている。


コメント
小学生の娘を育てている母です。ニュースを読んで心がほっこりしました。つい毎日バタバタしてしまいますが、子どもと宝物を集めてみたいなと思いました。家族との思い出を形にできるって素敵ですね。
孫が4人いるおじいちゃんです。自分も昔、家族の写真をアルバムにまとめていましたが、こういう箱で伝えるのも良いですね。まだまだ孫たちに伝えたいことがあると気づかされました。
学生です!宝箱めっちゃいいな~って思いました😊私もおばあちゃんと一緒にやってみたいです!家族の歴史ってなかなか聞く機会ないから、これをきっかけに話してみようかなと思います!
うちの近所でも同じような交流があればいいのにな、と読んで思いました。温かいお話に癒されました。地域で宝箱作りのワークショップがあれば参加したいです。
仕事で忙しくて家族の時間がないなと思っていましたが、モノを通じて気持ちを伝えるって素敵ですね。折り紙の鶴やバッジのエピソードにもほっこり。私も家族宝箱、挑戦してみます!