森野町の静かな図書館に、今春から多くの親子連れやお年寄りが集まっています。その理由は、地下の特設ホールで行われている新しいタイプの舞台「小さな扉の向こう側」。“観る”お芝居から“参加する”物語へ——誰もが主役になれるイマーシブシアターの試みが、町の心をポカポカと温めています。
企画・脚本・演出を手がけるのは、森野町出身の演出家・白鳥実生(35)。かつてこの図書館の常連だった白鳥さんが着目したのは、図書館の片隅にある古い木の扉でした。「幼い頃、この扉の向こうに別の世界があると信じていました。大人になって忘れてしまった物語の魔法を、もう一度みんなで体験したかったんです」と、白鳥さんは語ります。
体験型のこの演劇は、観客が小道具の“希望の鍵”を受け取ることから始まります。会場は図書館の各フロアや秘密の隠し部屋など複数の空間をつかった非日常空間に変身。登場人物たちに話しかければ物語が変わり、参加者の一声から次の展開が生まれる——まるで夢の中を歩いているような時間が広がります。小学3年生の藤村翠(8)は「本の登場人物と冒険できて、本当に自分が物語の主人公みたいだった!」と目を輝かせて話します。
観客同士も自然と助け合い、見知らぬ人が一緒に謎を解いたり、物語の中で大切なヒントを手渡し合ったりする様子が随所で見られました。車椅子の高校生・伴田悠斗(16)は初めて出会った年配の婦人、若林麻由子(71)と名コンビとなり、「役者さんにも応援されて、思いきり探検できました。普段はあまり話さない世代とも親しくなれました」と感想を寄せました。芝居のラストでは、観客全員で“未来への扉”を開けるフィナーレが待っています。
SNSにも「知らない人と一緒に涙するなんて初めて」「一生の思い出になった」という声があふれ、“森野町の図書館が舞台のまち”として遠方からの参加希望者も急増中。白鳥さんは「どんな人生も、一人で歩くより、誰かと“体験”するほうが素敵——演劇を通じてその温かさを届けたい」と話しています。森野町の図書館では今後も季節ごとに新たな物語を準備しているとのこと。次はどんな“冒険”が待っているのでしょうか。



コメント
子どもたちと一緒に参加したくなりました!普段シャイな息子も物語の主人公になれるなんて、きっと自信がつくと思います。森野町の図書館さん、素敵な企画をありがとうございます。
大学生です。地元でこういう試みがあるなんて本当にうれしいです!知らない人たちと一緒に冒険するってドキドキしそうだし、また新しい友達もできそうですね。
いやぁ、素晴らしいですねぇ。若い方と話す機会なんて普段はなかなかないので、こういう場所で世代を超えて楽しめるのはとてもありがたいです。私も童心にかえって参加してみたくなりました。
森野町にこんな温かい催しがあって誇らしいです。町に人が集まることで、地域も元気になりますね。これからも応援しています!
ただ“観る”だけじゃなくて自分たちが物語を動かせるって新鮮!図書館がこうやって新しい挑戦するの、めちゃくちゃ応援したいです。また次回のお話もぜひ参加してみたいな。