特許をおすそ分け?コンペイトウ銀行の“イノベ祭”が街に奇跡を起こす

銀行のロビーで子どもから高齢者まで多くの人が楽しげに発明体験ブースを囲んでいる様子。 イノベーション戦略
イノベ祭で老若男女が夢中になって発明や交流を楽しむ銀行ロビーの一場面。

夢のような銀行イベントが静岡県焼野市で話題を呼んでいる。地元老舗のコンペイトウ銀行が主催する「イノベーション特許まつり」。なんと、これまで同銀行が蓄積してきた数百件の知的財産を、地域の住民や企業に“おすそ分け”し、自由に使ってもらうという前例のない取り組みが始まったのだ。

イノベーションを促進したいという思いから始まったこのプロジェクト。発案者は、企画総括の小田切紬(29)。彼女は母親の実家である和菓子店「ほしぞら堂」とのコラボ商品開発がきっかけで、銀行が保有する様々な特許――たとえば温度で色が変わる羊羹の包装技術や、粉砂糖で描く和柄のプリント機構など――が、アイデア次第で地域の企業や個人の生活を豊かにできることに気づいたという。

現在、銀行のロビーには発明体験コーナーが設置され、小中学生から高齢者までがアジャイル開発体験に挑戦中。自分のアイデアを銀行スタッフや技術者と一緒に迅速に形にできるとあって、来場者は連日長蛇の列。市内の町工場が出品した“音の響くお守りケース”や、高校生グループが開発した“スマイル転写どら焼き”は、即トライアル生産が始まり、銀行の窓口で限定販売されるまでに発展した。

今回の“イノベ祭”がユニークなのは、企業文化として「失敗も価値」とする宣言が掲げられている点だ。アイデアが予想外の方向に進んでも、コミュニティ全体で温かく受け止めるのがルール。会場では「作ってみたら大失敗したけど、笑い話で友だちが倍に増えた!」と笑う大学生(22)の姿も。異分野パートナーシップを促す“特許ご縁ガチャ”は、知らなかった特許と出会って化学反応を起こす仕掛けだと参加者たちから好評だ。

SNSには「銀行が特許を無料で貸してくれるなんて信じられない」「ここから生まれる新しい名物が楽しみ」とポジティブなコメントが相次いでいる。地元経営者・大津聡介(48)は「昔は競争ばかりだった。でも今、アイデアを共有して一緒に成長できる空気があるのは本当に幸せだ」と語る。コンペイトウ銀行のチャレンジ精神と温かな知財循環が、街全体に未来への希望の光をともしている。

コメント

  1. 子育て中の母です。こんなイベント、子どもと一緒に絶対行きたいです!銀行って難しいイメージがあったけど、みんなでわくわくできる場所なんですね。子どもたちの発想力も伸びそうで感動しました。

  2. 長生きしてると世の中いろいろ変わるもんじゃが、銀行が特許をばらまいてみんなで楽しむなんて初めて聞いたよ。昔から競争ばかりって感じじゃったから、今の若いもんの考えは素晴らしいと思うのう。

  3. 高校生です。“スマイル転写どら焼き”めっちゃ気になってます。自分たちにも挑戦の機会があって、本当にありがたいです!アイデアで街を盛り上げるなんて、めっちゃポジティブで好きです!

  4. 近所でこんなほっこりするニュースが生まれてるのが誇らしいです。町工場も、高校生たちも、銀行さんも、みんな一緒にチャレンジしてるって空気が最高。限定商品、家族で買いにいきますね!

  5. イノベ祭、本当に素敵な取り組みですね。『失敗も価値』というキーワードにジーンとしました。誰もが安心してチャレンジできるのって、大人になってからも嬉しいことなんだなと再認識しました。