「推し」が“卒業”する日。アイドルグループ「スミレドロップス」のセンター、柊まひろ(19)の卒業サイン会が、千葉県柏市の文化会館で開催された。全国から1100人以上が集まり、感動の涙と歓声が溢れたイベントで、ひとつの“優しい奇跡”が生まれ、町に心温まる連鎖が広がっている。
数年間、地元の子ども食堂を陰ながら支援してきた柊は、最後のサイン会でスタッフに「今日だけ、サインの代わりに“お手紙”を書かせてください」と申し出た。握手の直前、柊はファン一人ひとりの目を見て、それぞれの“応援してくれてありがとう”の手書きメッセージを、その場で一筆ずつ心を込めて書き上げたという。「初めて会ったのに、あたたかい言葉に涙が出た」「自分も誰かを笑顔にしたいと思えた」など、受け取ったファンから喜びの声がSNSにあふれた。
特に感動を呼んだのは、小学生の岡田透(10)。障がいのある妹に勇気を届けたいと、両親と一緒に来場した透くんは、柊から「妹ちゃんが笑ってくれますように」というピンク色のお手紙をもらった。その晩、普段は外出を怖がっていた妹が、勇気を出して家族と桜並木を散歩したという。母親(33)は「たった一枚のメッセージが、我が家の宝物になりました」と優しく語った。
地域住民の輪も自然と広がった。会館前に設置された“みんなのメッセージボード”には、ファンや通りかかった人が自分の夢や願い事、誰かへの感謝を書き連ねた。まひろのアイディアで、卒業ライブの途中には、高齢者施設の入所者へ向けて全員でエール動画を撮影。「年齢や立場を越え、町がひとつになった日だった」と主催の松永惇(41)は振り返る。
SNS上では「“推し活”が地域にこんな優しい力を持っていたとは」「この街に住めてよかった」などの投稿が続出。アイドル評論家の田村砂月氏も「タレントの卒業イベントが、地域参加型の絆作りになる時代」と分析し、「今後も“推し”を通じた幸せな連鎖が日本各地に広がっていってほしい」と期待を込めた。卒業後もスミレドロップスのユニットメンバーと町の人々に、優しさの“センセーション”は静かに波及している。
コメント
うちも小学生の息子がいて、透くんの記事には胸が熱くなりました。アイドルのまひろさんのように、誰かの心に優しく寄り添える大人になってほしいなぁ。温かいニュース、元気でますね。
若い人の活躍が地域を明るくしてくれて、ありがたいです。高齢者施設へのエール動画もうれしかったです。まちが元気になるって、こういうことなんだなあと感じました。
推しの卒業は正直さみしいけど、直接手紙を書いてくれるなんてすごすぎる!あの日のこと一生忘れません。同じファン同士のつながりも、もっと大事にしたいと思いました。
私も柏に住んでいて通りがかったら、町全体がほっこりしてて思わず笑顔になりました。アイドルって遠い存在どころか、優しい輪を作ってくれるんですね。ありがとう、まひろちゃん。
推し活って若い子だけのものかと思ってたけど、こんなふうに地域にも素敵な効果があるのは驚きです。たまにはアイドルに頼るのも悪くないかも、ですね。