町なかに突然現れた巨大なスカートが、思わぬ形で人々をつなぎました。静岡県焼津市の広場で開催された「ふれあいファッションフェスタ」で、地元出身の若手デザイナー・野川春香さん(28)が発表した“オーバーサイズスカート”。そのスカートは、なんと大人10人がすっぽり入れるほどのサイズ。それを活用して生まれた温かい交流が、町中に小さな奇跡をもたらしました。
野川さんは、コロナ禍で増えた“人との距離”が少しでも縮まればと考え、この“みんなで穿くスカート”をデザイン。「スカートは優しく包み込むもの。大きくすれば、たくさんの人の気持ちまで包めるはず」と語ります。当日は広場に設営された花柄のオーバーサイズスカートを、親子連れやお年寄り、学生グループなど地元の人々が囲み、スカートの裾の中に入って楽しみました。「初対面なのについ会話が弾んだり、不思議な一体感が生まれました」と語るのは、参加した主婦の森口佳世さん(39)。「普段の町とは思えないくらい、みんなが笑顔で声をかけ合っていました」。
SNSでも「#みんなでスカート」が話題に。あるユーザーは「知らない人同士でも自然と隣に立てる不思議な優しさ」とコメント。他にも「小さな子どもも迷子にならないね」「大きなスカートの下は、暖かかった」「心まで包まれた気持ち」と、参加者や見学者の投稿が続き、翌日には市役所にも「ぜひ毎年開催してほしい」との要望が寄せられました。
衣服史研究家の林敬一教授(47)は、「衣服は元来、自然や社会から身を守るだけでなく、人と人との繋がりや安心感も提供してきた。今回のような試みは、形を変えた“共衣”の現代的な姿」とコメントします。実はスカートの裾の裏には、野川さんの祖母が町の思い出を刺繍した飾りも縫い込まれており、世代を超えた絆づくりにも一役買っています。
イベント終了後も、オーバーサイズスカートは地元の集会場に飾られ、子どもたちの読書スペースや、老人会の交流アイテムとして親しまれています。「知らなかった隣人の顔が見えるようになった」と話す町会長の吉峰恒夫さん(62)は、「このスカートのように、町も心ももっと大きくなれたら」と微笑みました。
コメント
うちの子たちと一緒に参加しました!最初はちょっと恥ずかしかったけど、大きなスカートの中で知らないおばあちゃんや同じ年くらいの子と自然に話せて、すごく温かい気持ちになりました。また来年も絶対行きたいです。
若い人とも自然に打ち解けられる、こんな企画があるなんて嬉しい限りです。私は普段、町のイベントに参加することが少ないのですが、今回は孫と一緒にスカートの中で楽しい時間を過ごせました。町の思い出を刺繍した飾りもとても素敵でしたよ。
友だちとノリで参加しましたー!普段あんまり話さない大人の人とも笑いながら仲良くなれちゃって、不思議な一体感ヤバかったです。こういうユニークな体験もっと増えてほしいです♪
仕事帰りにちょっとだけ覗いてみたら、思わず笑顔になっちゃいました。隣近所でも名前知らなかったのに、あのスカートの中で自然と声かけあえて、なんだか昔に戻ったみたいで懐かしかったなあ。
子どもたちと一緒に遊びに行きました。巨大なスカートの中はなんだかおうちのように安心できて、はしゃぐ子どもたちの笑顔を見てとても幸せな気持ちになりました。野川さんのアイディア、本当に素敵です!