朝の研究室に小さな歓声が響いた。国立南北大学ゲノム未来研究所の佐伯ありさ教授(48)が、色とりどりの紙片に微笑んだ。そこには「ありがとう」と手書きされた無数の短いメッセージ。だが、これは単なる感謝の手紙ではない。なんと「ありがとう」の想いが、特殊なゲノム編集技術によって、微生物のDNAに刻み込まれていたというのだ。
この斬新なプロジェクトは「サンキュージーン・イニシアティブ」と呼ばれ、研究所の若手メンバーによって2025年春に立ち上がった。身近な人への感謝や地域への愛着、動植物への敬意など、多様な想いをシンプルな言葉にし、それを合成生物学の技術で微生物のDNA配列に変換。メッセージが組み込まれた微生物たちは「感謝菌(キャンディア)」として専用の培地で育ち、やがて全国の小学校や高齢者施設、農園などへ贈られる。
この菌たちは、野菜の栄養を高めたり、土壌の健康を守ったりと、地味ながらも大切な役割を果たす。しかも、その中には『ありがとう、田中先生』『お母さん、いつもお弁当をありがとう』『公園の木々へ、きれいな空気をありがとう』など心温まるメッセージが“密かに”宿っている。渡辺さおりさん(小学5年)は「理科室で自分の『ありがとう』をDNAにも刻めたことがうれしかった。おじいちゃんの畑に、その菌を元気に撒きたい」と声を弾ませた。
これを知った全国の科学部や地域ボランティア団体からも参加希望が殺到。SNSでは『#ありがとうDNA』がトレンド入りし、「言葉だけでなく、ゲノムにも想いを宿す試みが優しすぎる」「地球に感謝を染み込ませたい」などのポジティブコメントが相次ぐ。研究チームは、安全管理と生命倫理の観点にも細心の注意を払い、あくまで環境に負荷をかけない設計を徹底している。
佐伯教授は、「生きものも私たち人も、ゲノムがつなぐ家族のようなもの。日々の感謝の気持ちを、さりげなく“生きたカタチ”で未来につなげていけたら」と目を細める。今夏には、メッセージ入りDNAを用いて育てた野菜の寄付イベントも計画されているという。“ありがとうDNA”が広がるほどに、地域や世代、動植物までもがさりげなく結ばれていく——そんな温かな未来が、ゲノム医療の研究現場から静かに始まっている。



コメント
子どもを持つ親として、子どもの感謝の気もちがこんなふうに科学と結びつくなんて素敵すぎます!うちの子もぜひ“ありがとうDNA”を理科の授業で体験させてあげたいです。未来が明るくて嬉しいニュースですね。
わしが若いころはやっと手紙で気持ちを伝えとったのに、今は菌まで感謝を運ぶ時代とは…。心がポカポカしました。孫と一緒に庭の植木に“ありがとう菌”をまきたいのう。
研究の内容に驚きました!遺伝子編集ってなんだか難しく感じてたけど、こうやって優しい目的だったらどんどん発展してほしいです。いつか自分も関われたらいいなあ。
朝のお散歩でよく見る公園の花壇、この“感謝菌”で育ったお花に変身したら、ますます優しい気持ちになれそう。地域みんなが仲良くなるアイデアですね。癒されます!
こういうの本当に最高!SNSで話題なのわかる!普段は恥ずかしくて『ありがとう』って母さんに言えてなかったけど、菌で伝えられるってなんか新しい。自分の“ありがとう”も参加したいです。