雑草がごちそうに?小さな生きものが働くオーガニック大麦畑で奇跡の春

春の大麦畑で女性と子どもがインコとミミズを観察している様子の写真。 オーガニック農業
オーガニック大麦畑で働く生きものたちとそれを見守る親子の春の光景。

北関東ののどかな丘陵地に広がる「みどりのもり農園」。ここで、農園主の船岡紗希(36)は春の訪れとともに、今年も不思議な来訪者たちを温かく迎えた。それは、愛らしいインコのような鮮やかな鳥たちと、最近話題の“ぷくぷくミミズ”たち。彼らが手伝うことで、ごく普通の大麦畑が今、地域からも全国からも注目を集めている。

船岡さんが育てる大麦は、すべて無農薬。雑草は手作業で抜くのが基本だったが、数年前から悩まされてきたのが、雑草取りの重労働と、自然循環への限界だった。だが昨春、小学生の息子・彬人(10)が拾ってきたカラフルなインコの群れがきっかけを作った。農園で放したインコたちが好んでイネ科の雑草だけを器用についばみ、苗の周囲だけをきれいにしてくれる現象が、彬人くんの観察ノートとともに記録され始めたのだ。

加えて、船岡さんは野生の『ぷくぷくミミズ』にも注目。地元の自然愛好会から分けてもらったこの微生物と共生するミミズは、土中バクテリアを活性化し、一部の雑草の根を天然の肥料に変えてしまう。そのおかげで、畑土がふかふかに。ミミズと微生物の力で、去年は大麦の収量が例年の1.3倍に増え、しかも、コクと甘みが増したと話題になった。

こうした奇跡の大麦を原料に、地域のクラフトビール工房『こもれび醸造所』が限定生産した“うたかたエール”は大好評に。月末の直売所イベントでは、農園スタッフがビール片手にインコやミミズたちとのふれあいタイムを企画。来場した子どもたちが、インコの羽根をにこやかに集めたり、ミミズの土壌トンネルを拡大観察したりと大はしゃぎだった。

SNSでも、「雑草が害じゃなく“ごちそう”になる日が来るなんて!」「土に帰す優しさが伝わる大麦、飲んでみたい」といった声や、農園を訪れた人たちのほっこりした写真が続々アップされている。地元大学の農学部教授、菅谷進(53)も「生きもの天敵ネットワークを活かした持続可能な雑草管理は、未来の農業のモデルになりうる」とコメント。思いやりと偶然がたくさん詰まった春の大麦畑には、今年も幸せの花が次々と咲いている。

コメント

  1. 子育て中の親として、自然の中で生き物とふれあえる体験があるって本当に素敵だと思いました!うちの娘も動物や土いじりが大好きなので、ぜひ連れて行ってあげたいです。インコやミミズの働きで大麦が育つお話、子どもの自由研究にもぴったりですね。

  2. 長年地域に住んでいますが、みどりのもり農園さんの工夫と発想力に感心しました。昔ながらの農業とは一味違って、子どもから大人まで笑顔になれる取り組みですね。今度の直売所イベント、ぜひ仲間を誘って遊びに行こうと思います。

  3. 環境に優しい農業って、なんだか遠い話だと思ってたけど、インコとかミミズとか、こんな“かわいい”つながりがあるとすごく身近に感じます!限定ビールも気になります~。卒論テーマにしたいくらい面白いです。